2025.05.14(更新:2025.05.21)

固定IP対応プロバイダ徹底比較|フレッツ光クロス回線・10ギガ対応おすすめISPを紹介

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丸山 和輝
記事の監修責任者
丸山 和輝

いらっしゃいませ、株式会社INEの丸山です。

リモートワークの定着やIoT機器の普及、自宅サーバーやVPN活用の広がり、フレッツ光クロスのような10ギガ回線による高速化に伴い、「固定IPアドレス」への関心が高まっています。

固定IPとは、接続時に常に同じIPアドレスが割り当てられる仕組みで、外部からの安定したアクセスやセキュリティ管理に欠かせません。

特に法人では、業務効率化やITインフラの信頼性向上に大きく貢献します。

ただし、回線タイプやプロバイダ(ISP)によっては固定IPが使えない場合もあるため、事前の確認が重要です。

本記事では、フレッツ光ネクスト(1ギガ)と、10ギガ対応のフレッツ光クロスで利用できる固定IP対応プロバイダを比較紹介。

PPPoE/IPoEの接続方式や用途別の選び方もあわせて解説します。

あなたの回線環境に最適なプロバイダを見つけ、固定IP導入をサポートしますので、是非ご一読ください。

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固定IPアドレスとは

そもそも「固定IPアドレス」って何?個人利用にも必要なの?

固定IPは、常に同じIPアドレスが使える仕組みで、個人でも目的が明確なら十分に導入価値があります。

固定IPアドレスとは、インターネットに接続した際に割り当てられる「IPアドレス」が常に変わらない状態を指します。

通常、インターネット接続時には「動的IPアドレス」が使われることが多く、接続のたびに異なるアドレスが自動的に割り当てられます。

一方、固定IPは常に同じIPアドレスが割り当てられるため、外部から特定の端末やサーバーに安定的にアクセスできるのが最大の特長です。

この仕組みにより、以下のような用途において非常に有効です。

  • 自宅・社内サーバーの公開
    Webサイトやメールサーバー、NASなどの安定運用に適しています。
  • VPN接続
    企業のリモートワーク環境構築や、安全な社内ネットワークへの接続に。
  • ネットワークカメラやIoT機器の遠隔管理
    いつでもどこからでも機器にアクセス可能。
  • ポート開放が必要なサービス
    ゲーム、P2P、遠隔デスクトップなど。

固定IPは「インターネット側からアクセスされることが前提の機能」を安定的に実現するために欠かせません。

とくに法人では、セキュアなネットワーク管理や通信制御の観点から、固定IPが必須となるケースが多く見られます。

また、クラウドサービスへのアクセス制限(IPベースのファイアウォール)や、業務アプリのホワイトリスト設定(アクセスの承認設定)にも利用されるため、固定IPの有無は業務環境の構築に直結する重要な要素です。

一方、個人ユーザーであっても、ホームサーバーを使いたい、家族とVPNを組みたい、安定したリモートアクセス環境が欲しいという場合には、導入する価値は十分にあります。

つまり、固定IPは「誰でも必要なもの」ではない反面、明確な目的があるユーザーにとっては非常に強力なインフラの一部となり得るのです。

固定IPと動的IPの違い

固定IPと動的IPって、何が違うの?

動的IPは一般的な家庭用で、接続ごとにアドレスが変わるのですが、固定IPは常に同じIPアドレスに固定されるのでアクセス制限などのセキュリティが強固なのが特徴です。

固定IPと動的IPの違いを以下にまとめましたのでご覧ください。

項目固定IPアドレス動的IPアドレス
割り当て方式常に同じIPアドレスを使用接続のたびに自動で変更される
外部アクセス可能(安定した接続が必要な用途)不向き(アドレスが変わるため)
セキュリティ制御IP制限やホワイトリスト設定に有効管理が難しい
主な用途VPN接続、サーバー公開、IoT遠隔管理一般的なネット閲覧、動画視聴など
利用者層法人・上級ユーザー向け一般家庭・個人ユーザー向け

実際には、「固定IPが必要かどうか」は、ネットワークをどれだけ安定して制御したいかによって決まる場面が多くあります。

たとえ外部アクセスを目的としない場合でも、以下のようなケースでは固定IPを導入することで、ネットワークの安定性や業務の効率が大きく向上します。

  • 社内ネットワークやVPNで、接続元IPが変わると通信ができなくなる
  • 業務クラウドやセキュリティサービスで、特定のIPアドレスだけを許可している
  • IPアドレスが変わるたびに手動で設定変更が必要で、運用コストがかさんでいる

このような環境では、「IPアドレスが常に一定であること」そのものが、安定した通信やセキュリティ管理の前提となります。

つまり、外部公開の有無に関係なく、アクセスの安定性・セキュリティの確保・ネットワーク管理のしやすさが必要かどうかが、固定IP導入を判断する本質的なポイントです。

固定IPが必要なシーンとは

どういうときに固定IPって必要なの?

VPN接続やクラウドサービスへのIP制限、自宅や社内サーバーの公開など、安定して外部とつなぐ必要がある場合に使います。

固定IPアドレスは、次のようなケースで特に必要性が高まります。

  • VPNの構築・運用
    テレワークや複数拠点間のセキュアな通信を実現するVPN接続では、通信元・通信先をIPで特定するため、固定IPが不可欠です。
  • クラウドサービスへのアクセス制限
    Google WorkspaceやAWSなど、IPアドレス単位で接続を制御する機能を活用する際に、常に一定のIPからのアクセスであることが求められます。
  • ネットワークカメラやIoT機器の遠隔管理
    監視カメラやスマート家電などに外部からアクセスする際、IPが変わらないことで設定が簡易化され、常時接続が安定します。
  • 自宅・社内サーバーの運用
    Webサーバーやファイルサーバーを自前で設置して公開する場合、同じIPで安定してアクセスできる必要があるため、固定IPが必要です。
  • オンラインゲームやポート開放
    一部のゲームではホストになるために固定IPが求められたり、ポートを手動で開放する際にIPの一貫性が重要になります。

これらのシーンに共通しているのは、「外部から安定した通信を確保する」「ネットワークを自分でコントロールする」という要件です。 このような目的がある場合には、固定IPの導入が非常に有効です。

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固定IP対応プロバイダの選び方

固定IPが使えるプロバイダはどう選べばいい?

回線の種類(1ギガ or 10ギガ)、接続方式(PPPoE / IPoE)、対応エリア、そして使いたい用途によって選ぶのが基本です。

固定IPを導入する際、どのプロバイダを選ぶかは非常に重要です。

単に「固定IPに対応しているか」だけでなく、利用する回線の種類、接続方式、用途、サポート体制、提供エリアなど、複数の観点から慎重に検討する必要があります。

1ギガ・10ギガ回線で選べるプロバイダが異なる

10ギガ(フレッツ光クロス)は提供地域や技術仕様が限定されており、対応できるプロバイダがまだ少ないのが現状です。

フレッツ光ネクスト(1ギガ)とフレッツ光クロス(10ギガ)では、利用できる接続基盤が異なるため、固定IPに対応したプロバイダの数にも大きな差があります。

1ギガはサービス提供歴が長く、固定IPやPPPoE接続に対応したプロバイダが多数存在しています。

一方、10ギガは比較的新しいサービスで、主にIPoE接続が前提とされており、技術的に固定IPとの両立が難しいケースが多くなっています。

結果として、10ギガで固定IPに対応しているプロバイダはごく一部に限られます。

さらにフレッツ光クロスは提供エリアが限定されているため、エリア・対応ISPの両面で事前確認が必須です。

PPPoEとIPoEの違いと固定IP対応への影響

固定IPを利用したいなら、PPPoEが一般的。ただし通信速度の安定性ではIPoEに軍配が上がります。

PPPoEとIPoEは、インターネットに接続するための「接続方式」です。

  • PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)
    従来型の接続方式で、固定IPサービスの多くがこの方式に対応。
    夜間や混雑時の速度低下が起こりやすい。
  • IPoE(IP over Ethernet)
    次世代型の接続方式で、高速かつ安定。
    固定IPに非対応な場合が多く、利用にはプロバイダ側の対応確認が必要。

多くのプロバイダでは、固定IPはPPPoEでのみ提供されています。

ただし、IPoEでも固定IPを利用できるサービスが増え始めており、10ギガ回線を使いたい方にはIPoE固定IP対応の有無が重要な選定ポイントです。

用途によって最適なプロバイダを選ぶ

固定IPの使い方によって求められる機能や安定性が異なるため、用途ごとに最適なプロバイダを選びましょう。

固定IPの使い道によって、求めるスペックや機能が変わります。

  • VPN・業務利用
    セキュリティ重視。逆引き設定対応や、法人専用プランの有無もポイント。
  • IoT・ネットワークカメラ
    接続の安定性が最重要。ルーターへの設定の簡便さも要確認。
  • 個人のリモート接続
    費用対効果が重要。導入のしやすさやサポートの充実度も考慮。

どのような目的で固定IPを使いたいのかを明確にしたうえで、それに強いプロバイダを選ぶのが正解です。

提供エリアとサポート体制

プロバイダごとに対応エリアは異なります。とくに地方在住の場合は、提供可否を事前に確認しましょう。

フレッツ光対応プロバイダであっても、固定IP提供は「一部地域限定」となっている場合があります。とくに地方・郊外・離島では注意が必要です。

また、トラブル対応の迅速さや技術サポートの充実度も選定ポイントです。

  • 24時間サポートの有無
  • 法人向け専用窓口の有無
  • 逆引き設定の代行サポート

固定IPに関しては、トラブル発生時に技術的な理解が求められるケースが多いため、サポート体制が整っているかどうかもプロバイダ選びの重要な視点です。

用語解説

逆引き設定とは?
IPアドレスからドメイン名を参照できるようにする仕組み(リバースDNS)です。

通常のDNSは「example.com → IPアドレス(正引き)」の変換を行いますが、逆引きはその逆で、「IPアドレス → example.com」の変換を可能にします。

この設定があることで、以下のような用途で効果を発揮します。

メールサーバーの信頼性向上
スパム判定を回避するために必要(逆引きがないと受信拒否されることがある)

・セキュリティの強化
通信相手がどのドメインから来ているかを確認できる

・ログの可読性向上
IPアドレスだけでなくドメイン名でログを記録できる

とくにメール配信や外部公開サーバーを運用する法人・技術者にとっては、逆引き設定は事実上必須の項目といえます。

なお、逆引きはプロバイダー側での設定が必要になるため、「対応しているか」「申請手続きが可能か」はプロバイダー選びの重要な基準の一つです。

固定IP対応プロバイダ比較

固定IPが使えるプロバイダってどこがおすすめなの?

固定IPの用途によっても変わりますが、IPoEに対応した@niftyがおすすめです。

固定IPを利用するには、前提として固定IPオプションを提供しているプロバイダを利用する必要があります。

ただし、プロバイダによっては1ギガ回線のみのサービスであったり、PPPoE接続しか対応していなかったり様々です。

ここでは、回線と接続方式を整理して、固定IP対応のプロバイダを紹介していきます。

フレッツ光ネクスト(1ギガ)固定IP対応プロバイダ比較

1ギガの光回線で、固定IPに対応したプロバイダってどこがいいの?

料金・接続方式・逆引き設定・サポート体制を比較し、自分の用途や技術レベルに合ったISPを選ぶのが最適です。

フレッツ光ネクスト(1ギガ)は、日本で最も普及している光回線であり、固定IPに対応したプロバイダの選択肢も豊富です。

法人用途だけでなく、個人でVPNや自宅サーバーを活用したいケースにも適しています。

以下は、固定IPオプションを提供する主要プロバイダの比較表です。(提供エリアは全国)

プロバイダ名固定IPオプション
月額料金
初期費用接続方式
OCN7,480円~3,300円PPPoE
IPoE
ぷらら
BUSINESSぷらら
4,400円~4,950円5,500円PPPoE
IPoE
@nifty3,245円5,500円PPPoE
IPoE
GMOとくとくBB1,452円0円PPPoE
IPoE
BB.excite2,750円3,300円PPPoE
HAYABUSA
インターネット
2,017円0円PPPoE
ZOOT NEXT1,320円0円PPPoE

1ギガ回線向け おすすめプロバイダ

速度や安定性の面からも“IPoE”に対応しているプロバイダがおすすめです。

1ギガ回線で利用できる固定IP対応プロバイダは多くありますが、“IPoE”に対応しているプロバイダを選ぶのがおすすめです。

特に混雑しがちな夜間やリモート会議用途では、PPPoEよりIPoEの方が快適な通信環境を確保しやすくなります。

フレッツ光ネクスト 1ギガ向けおすすめプロバイダ

  • @nifty
    老舗プロバイダならではの信頼感があり、PPPoEに加えてIPoEでも固定IPが選べるのが強み。
    料金はやや高めですが、速度やブランドの安心感を重視する方にはおすすめ。
  • GMOとくとくBB
    月額1,210円とリーズナブルな価格で、PPPoEとIPoEの両方に対応。コスパ重視で固定IPを始めたい方に最適な選択肢

価格や技術対応の差はもちろん「ルーターの設定に自信があるか」「法人か個人か」など、自分の前提条件をもとに選ぶことが重要です。

迷ったときは、「接続方式がIPoEに対応しているかどうか」を基準に候補を絞りましょう。

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フレッツ光クロス(10ギガ)固定IP対応プロバイダ比較

フレッツ光クロスで利用できる固定IP対応のプロバイダでおすすめってある?

10ギガ回線の場合、固定IPに対応しているプロバイダは少ないのですが、@niftyは料金的にもおすすめです。

フレッツ光クロス(10ギガ)は、IPoE接続による高速通信が特長の次世代回線です。

ただし、固定IPオプションに対応するプロバイダはまだ少なく、事前に対応状況と料金をよく確認する必要があります。

以下に、10ギガ+固定IPに対応している代表的なプロバイダ5社の月額料金・初期費用・接続方式などを比較しました。(提供エリアはフレッツ光クロスのエリアのみ)

プロバイダ名固定IPオプション
月額料金(1IP)
初期費用接続方式
@nifty3,245円5,500円IPoE
OCN4,510円3,300円IPoE
KIWIインターネット3,850円6,600円IPoE
CyberBB4,400円1,870円IPoE
オープンサーキット5,170円5,500円IPoE

10ギガ回線向け おすすめプロバイダ

10ギガ環境では、混雑の影響を受けにくいIPoE接続が主流です。
固定IPもIPoEに対応しているプロバイダを選ぶことで、速度と安定性の両立が期待できます。

フレッツ光クロス 10ギガ向けおすすめ固定IPプロバイダ

  • @nifty
    IPoEによる固定IP提供に対応し、10ギガ回線のポテンシャルをしっかり活かせる設計。
    個人でも導入しやすく、法人でも安心して利用できる安定性と信頼性が魅力です。大手プロバイダならではのサポート体制も評価ポイントです。
  • OCN
    NTTグループによる高信頼インフラが魅力。VPNや社内システム連携、24時間安定運用が求められる法人環境に適しています。

いずれのプロバイダもIPoE方式に対応しており、10ギガ回線の性能を最大限活かせます。

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プロバイダを変更せずに固定IPを使う方法

いまのプロバイダをそのままで、固定IPを使う方法はある?

VPN型の固定IPサービスを使えば、ISPを変えずに固定IPを導入できます。

「プロバイダの乗り換えは面倒だけど、固定IPを使いたい」 そんな方には、現在のインターネット環境に固定IPを“仮想的に”付与できるVPN型固定IPサービスがおすすめです。

これらのサービスは、プロバイダに依存せず固定IPを割り当てるため、プロバイダ変更やフレッツ回線契約の再構成が不要

短期利用や特定用途だけ固定IPが必要なユーザーにとって、非常に便利な選択肢です。

代表的なVPN型固定IPサービス比較表

サービス名月額料金初期費用同時接続数通信方式ポート開放対象ユーザー
マイIP(インターリンク)1,100円無料(最大2ヶ月お試し)1台L2TP/IPSec不可リモート接続・Web閲覧
マイIP ソフトイーサ版1,320円無料(お試しあり)1台独自VPN一部可
(要設定)
技術者向け、柔軟性重視
セカイVPN1,100円無料(最大2ヶ月お試し)最大3台L2TP / PPTP / OpenVPN不可リモート接続・個人利用
Glocal VPN990円~0円1台(追加可)OpenVPN / L2TP不可低価格で試したい人

VPN型固定IPサービスのメリットと注意点

VPN型固定IPサービスは、ポート開放やサーバー公開といった本格的なネットワーク運用には不向きですが、「特定のクラウドサービスや社内システムへ固定IPでアクセスしたい」といった目的には最適です。

VPN型固定IPの特徴

  • ISPを変更せずに使える:契約中のネット環境はそのまま。
  • 導入がスピーディー:即日利用可、申し込みから最短5分で発行される場合も。
  • ポート開放が制限される:VPN経由のため、Webサーバー・カメラなどの外部公開には不向き。
  • 用途は限定的:VPN接続、社内システムアクセス、IP制限対応などに最適。

VPN型固定IPは、「固定IPが必要だけど、回線契約を変えたくない」「一時的にIP制限を回避したい」という方にとって非常に便利な選択肢です。

ただし、通信の自由度や外部公開の要件がある場合は、従来型(フレッツ回線+固定IP)との違いを理解したうえで検討しましょう。

固定IPの設定と導入手順

固定IPってどうやって導入・設定するの?自分でできる?

多くのプロバイダでは設定マニュアルが用意されており、自分でも導入可能です。事前準備と基本的なネットワーク知識があれば問題ありません。

固定IPの導入では、申し込みから利用開始まで平均して2~7営業日程度が目安です。

プロバイダによっては即日開通も可能ですが、混雑時や特殊構成を伴う場合は日数がかかることもあります。

固定IPの設定で不安がある場合は、サポート付きプランや、リモートサポート対応プロバイダを選ぶと安心です。

導入までは主に以下の3ステップがあるので順に説明しますね。

【STEP1】プロバイダの固定IPサービスに申し込む

まずは、固定IPに対応しているプロバイダ(またはVPN型サービス)に申し込みます。フレッツ光など既存の回線を利用する場合は、「固定IPオプション」を追加契約する形が一般的です。

申し込み後、プロバイダからは以下の情報が提供されます。

  • 接続ID(ユーザー名)とパスワード
  • 固定IPアドレス
  • 接続方式(PPPoE / IPoE)に応じた設定情報

【STEP2】ルーターまたはPCに固定IP設定を行う

続いて、自宅やオフィスのルーターに設定情報を入力します。

  • PPPoE接続の場合
    ルーターの「インターネット設定」画面にアクセスし、接続ID・パスワードを入力して接続先を構成。
  • IPoE接続の場合
    専用ルーターが必要な場合もあるため、プロバイダが指定する対応機器を準備しましょう。

機器の再起動後、プロバイダ指定のIPアドレスが正常に割り当てられれば設定完了です。

【STEP3】動作確認とセキュリティ設定

導入後は、IPアドレスが正しく割り当てられているかを外部確認サイトなどでチェックします。

また、固定IPは常に同じIPが外部に公開されるため、次のようなセキュリティ対策が必須です。

  • 不要なポートを閉じる
  • ファイアウォールの設定を見直す
  • 管理画面にパスワードを設定する

固定IPの設定でつまずきがちなのは「接続方式の選び方」と「ルーター設定」
事前に自分の回線がPPPoEかIPoEかを確認し、対応ルーターを準備しておくと、設定作業がスムーズになります。
とくに法人環境では、IPアドレス管理やセキュリティ設計も含めて、計画的に導入を進めることが重要です。

固定IPの活用法

固定IPって何に使えるの?導入して何が便利になるの?

VPN接続やIoT機器の遠隔管理、自宅サーバー運用など、外部から安定してアクセスしたい用途において、固定IPは非常に役立ちます。

固定IPアドレスは、「いつでも同じIPアドレスで外部からアクセスできる」ことが最大の特長です。 そのため、次のような用途で特に活用されています。

① VPN接続でのリモートアクセス

VPNの安定運用には「接続元IPの固定」が不可欠です。とくに社内リソースへの接続では、IP制限によるセキュリティ対策にも直結するため、固定IP導入が前提になるケースが増えています。

企業や在宅勤務者にとって、固定IPは社内ネットワークへの安全なアクセスを可能にします。

  • 本社・支社間の拠点間VPN接続
  • 在宅勤務者が社内NASや業務システムへアクセス

IPアドレスが毎回変わるとVPNが確立できなくなるため、固定IPがあることで安定したセキュア通信が実現します。

② IoT・監視カメラなどの遠隔管理

IoTやネットワークカメラは「現場に行かずに見守る」が重要な役割。
固定IPがあることで、常時安定した遠隔接続ができるため、トラブル時の対応や保守の負担も大幅に軽減できます。

ネットワークカメラやスマート家電などのIoT機器を、外出先から確認・操作したい場合も固定IPが有効です。

IPが変動しないことで、機器へのリモートアクセスが常に可能になり、拠点監視・施設の遠隔運用などにも対応できます。

③ 自宅サーバーやオンラインゲームのホスト運用

サーバー運用やポート開放には、安定したIPが大前提。
特に「外部からアクセスさせる」構成では、固定IPがないと実質運用が成り立ちません。個人で挑戦したい方にも必須です。

以下のような用途でも、固定IPは便利です。

  • Webサーバーやファイルサーバーを自宅に構築し、外部に公開
  • ゲームのマルチプレイ用に自分のPCをホストとして立ち上げ

動的IPだと毎回設定を変える必要があるのに対し、固定IPならドメイン設定やポート開放の手間も大幅に減ります。

固定IPは「安定した外部アクセス」が前提の用途に真価を発揮します。

特にVPNやIoTでは、通信の確実性が業務の信頼性に直結するため、個人よりも法人・商用利用で導入価値が高まる傾向があります。

まとめ

固定IPを選ぶなら「IPoE対応プロバイダ」が賢い選択

固定IPは、VPN接続やIoT、サーバー運用など、特定の用途で高い価値を発揮する機能です。

とはいえ、ただ「固定IPが使える」だけでは不十分。通信の速度や安定性、今後の拡張性を考えると、IPoEに対応したプロバイダを選ぶことが重要です。

PPPoE方式は従来の主流ではありますが、回線混雑の影響を受けやすく、10ギガ回線の性能を十分に活かせません。

一方、IPoE方式はIPv6ベースで帯域にゆとりがあり、夜間でも安定した通信ができるという大きなメリットがあります。

この記事で紹介したプロバイダ比較や活用例を参考に、用途に合った接続方式・料金・サポート体制を見極めながら、IPoE対応の固定IP導入を検討してみてください。

今後、光回線の主流は確実にIPoEへとシフトしていきます。 その流れに乗って、より快適で確実な通信環境を手に入れましょう。

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Q&A
固定IPに関する“よくある質問と回答”

固定IPは個人でも使える?
固定IPは個人でも問題なく契約・利用できます。

固定IPというと「法人向けの専門的なサービス」と思われがちですが、現在では多くのプロバイダが個人契約にも対応しています。

自宅サーバーの構築やオンラインゲーム、監視カメラの遠隔管理など、明確な目的がある個人ユーザーには十分メリットがあります。

最近はスマートホームや在宅勤務の普及により、個人でも「外から安定してアクセスしたい」という需要が増えています。料金も月額1,000円前後からあり、導入ハードルはかなり下がっています。

契約後にIPアドレスの変更はできる?
基本的に固定IPは契約時に割り当てられたアドレスを使い続けるのが前提です。

プロバイダによっては「再割り当て」や「再契約」でのIP変更が可能ですが、多くの場合は追加料金がかかるか、対応不可とされています。

特定の接続先にIP制限がある場合などは、最初から慎重にアドレス設計を考えることが大切です。

IPアドレスは接続先システムやセキュリティ設定と密接に結びつくため、契約後に気軽に変えるものではありません。必要な設定と用途を事前にしっかり洗い出しておきましょう

IPoEで固定IPは使える?
一部のプロバイダではIPoE方式でも固定IPの提供が始まっています。

従来はPPPoE接続でしか固定IPが使えないケースが主流でしたが、現在ではIPoE+固定IPに対応するサービスも増加しています。

ただし、プロバイダによって対応状況が異なるため、「IPoE対応+固定IP可」が明記されているサービスを選ぶことが重要です。

10ギガ回線やIPv6を活かした高速通信を求めるなら、IPoE×固定IPの組み合わせが最適解になりつつあります。安定性・速度・セキュリティを両立したい方におすすめの構成です。

丸山 和輝
記事の監修責任者
丸山 和輝

大学ではスポーツ科学部・競技スポーツ学科を専攻。陸上部に所属。長距離部門の選手として数々の大会に出場し、多くの功績を残すが、箱根駅伝メンバーにはあと1歩及ばず。その悔しさをバネに、個人の成果を重視する INEに新卒入社。電気・ガスなどの商材を扱う内勤営業で経験を積む。入社2年目の11月より通信回線を扱う部署のSmgrに昇格。現在に至る。