
ahamoと楽天モバイルは根本的に性質が異なる
 
    ahamoか楽天モバイル、どっちに乗り換えたらいいの?
 
    それを判断するためには、まずは両者がどんなサービスかを知らなければなりませんね。そもそも、両者はまったく性質が異なるサービスです。
ahamoも楽天モバイルも、NTTドコモと楽天というネームバリューのある会社が提供している格安SIMです。
大手が提供しているので、どちらのサービスに対してもある程度の安心感があるのではないでしょうか。
ただ、同じ“大手キャリアの格安SIM”ではあるものの、その性質は大きく違っています。
なので、どちらを選ぶか決めるには「それぞれがどんなサービスで・どんな人物像に合っているのか」を知ったうえで、自分と照らし合わせる必要があります。
ahamo:複雑な料金プラン設計が不要な高品質サービス
 
    じゃあ、ahamoってどんなサービスなの?
 
    一言にまとめると、料金プラン・サービスがシンプルなサービスです。複雑なカスタマイズが不要な“わかりやすさ”が特徴と言えます。
ahamoというサービスを一言にまとめると「自分に合ったプラン探しで迷ってしまった人」向けのサービスと言えます。
ahamoにあるプランはたったひとつだけ。
データ容量30GB・月額料金2,970円
これだけです。
- 使える容量別に複数のプランがある
- 使った分で料金が変わるプランと料金が固定されたプランがある
こんなプランが設けられた格安SIMを見たことがある方もいるかと思います。
もちろん、「自分の使い方に合ったプランを選べる」という利点があるのですが、人によっては「どれにしたらいいか迷ってしまう」と、逆に困ってしまうこともあるでしょう。
その点、ahamoはプランがこれひとつのみ。どのプランにしようか迷うことがなく、非常にシンプルでわかりやすいサービスだと言えます。
メリット:割引無しでも高品質な通信を安く使える
 
    ahamoは、ドコモとまったく同じ通信回線を使っているので、高品質な通信が安く使えることが最大のメリットです。
ahamoはドコモが提供するスマホプランの1つという立ち位置にあります。なので、通信に使っている回線はドコモとまったく同じ。NTTが提供する安定した通信を使えるのがahamoの大きなメリットです。
そして、先ほどお見せした通りのシンプルで安価な料金プランも、メリットの1つ。ただ安いというだけでなく、プラン選びに迷うことも、使っている中でプランを見直して変更を検討する必要もありません。
“高品質”な通信を“安く”使い“続けられる”のがahamoです。
デメリット:通信環境・料金以外のサービス充実度が低い
 
    シンプルである分、店舗でのサポートやその他オプション等はあまりありません。サービス全体が充実しているとは言えないのがデメリットです。
ahamoは、極限までサービスを絞ることで料金を抑えるブランドスタイル。なので、提供されるサービスがかなり少なくなっています。
なくなったサービスのひとつが店舗での対面サポート。言ってしまえば、スマホ代から対面サポートにかかる人件費を削っているのですね。
お申し込みはオンラインでしかできませんし、トラブルがあった場合もチャットサポートを活用しながらお客様ご自身で対処していただくことになります。
その他、留守番電話等通話に関するオプションもかなり限られています。家族割やインターネットとのセット割等、割引サービスもありません。
スマホを使ううえで困らない部分のみに絞ったプランになっているので、サービスの充実度そのものは低め。その点が、人によってはデメリットとなり得るでしょう。
楽天モバイル:データ容量無制限の高コスパサービス
 
    じゃあ楽天モバイルは?
 
    一言にまとめると、“楽天経済圏を使っている人にとってコスパがとても良いサービス”ですね。契約するだけで楽天ポイントの貯まりやすさがアップするうえ、スマホ自体もデータ無制限で通信し放題という特徴を持っています。
楽天モバイルを一言で言うなら、「楽天経済圏の人にとって、何よりコスパが良い」サービス。
楽天モバイルのプランも、ahamo同様1つしかありません。従量制で、使ったギガ数で月々の料金が変わります。
| ギガ数 | 料金 | 
|---|---|
| ~3GB | 1,078円 | 
| ~20GB | 2,178円 | 
| ~無制限 | 3,278円 | 
最大容量の天井がなく、無制限で使えるのが他社格安SIMにはない強みです。
メリット:料金の安さ・楽天経済圏との連携
 
    無制限なのに料金が安く、しかも楽天ポイントも貯まる。コスパが良いのが楽天モバイル最大のメリットです。
そもそも、格安なのにデータが無制限に使えるというのが大きなメリット。データ不足に悩まされることもなければ、データを追加で購入して料金が跳ね上がることもありません。
さらに、楽天モバイルは、楽天が展開するSPU(スーパーポイントアップ)プログラムの対象サービス。
楽天モバイルを契約してエントリーをすると、楽天市場でのお買い物の際に獲得できるポイントが通常の5倍に増えます。
たとえば、10,000円のお買い物であれば、通常のお買い物なら100ポイントが貯まります。が、楽天モバイルユーザーならたまるポイントは500ポイントになるということです。
もちろんこのポイントは楽天市場でのお買い物や楽天モバイルのお支払いに利用可能。つまり、楽天経済圏の人であれば、生活全体のコストパフォーマンスをも上げることができるのです。
デメリット:“割り切り”が必要な通信品質の低さ
 
    ただし、通信品質ははっきり言って低めです。速度や安定性が低いのがデメリットと言えます。
楽天モバイルは、データが使い放題ではあるものの、その速度や安定性といった“通信品質”は低め。
実際、ビルの高層階では圏外になったり、地下鉄の中ではSNSの画像が読み込まれないといった声をよく聞きます。
楽天モバイルは、楽天経済圏の方にとっては獲得ポイントを大きく増やせる優秀なツール。ただし本来の役割である“通信サービス”としてはあまり優秀とは言えません。
“乗り換え”の判断がつくフローチャート
 
    ahamoと楽天モバイルのどちらが自分に合ってるのか、どう判断すればいい?
 
    お客様自身の生活スタイル、スマホ通信の頻度やデータ量など、様々な観点を踏まえて総合的に判断すべきです。とはいえ、その“観点”が多いので「何から順に考えればいいのか」という点に悩んでしまうかと思います。というわけで、お客様の判断をサポートするフローチャートをご用意しました。ぜひご利用ください。
ここまでの説明で、ahamoと楽天モバイルはどちらにもメリット・デメリットがあるとおわかりいただけたかと思います。
そのおかげで「では一体自分はどちらを選んだらいいのか」と、逆に迷ってしまう方もいることでしょう。
そこで、どちらを使えば良いかがわかるフローチャートをご用意しました。こちらを進めてみてください。

ahamoが適している方はこちら
 
    通信品質を求める方ならahamo一択。またアプリ以外の通話をされる方も、かけ放題が付いているahamoがおすすめです。
ahamoはドコモの高品質な回線をそのまま使えるスマホ。ビジネスの場で使うなど、通信品質を重要視するのであれば楽天モバイルよりもahamoが適切です。
また、LINEやDiscord等のアプリではなく、普通の電話の使用頻度が高い方も楽天モバイルよりahamoがおすすめです。
ahamoは、月額料金2,970円の中に“5分以内の通話かけ放題”というオプションが含まれています。
「20GB以上使うけど本当にahamoで大丈夫かな?」という方もご安心ください。ahamoの使用可能ギガ数は30GBですが、“大盛りオプション”を適用させれば、容量が110GBまで増えます。
この容量を使い切ることはほぼないので、実質無制限のようなもの。楽天の無制限プランに魅力を感じていた方も安心してください。
加えてahamoへの乗り換えにあたっての注意点を以下にまとめておきます。こちらも確認・把握しておいてくださいね。
ahamoに乗り換える際の注意点
- データの繰り越しはできない
 大手キャリアと違って、余ったデータは繰り越せません。特に大盛りオプションを付ける際は、ギガが無駄にならないよう気をつけてください。
- 請求が個別になる
 ご家族がドコモユーザーだった場合、請求は一緒にできません。加えてahamo契約者の口座かカードからしかお引き落としができません。支払い方法や通信費管理が変わる場合は注意が必要です。
楽天モバイルが適している方はこちら
 
    楽天モバイルは「楽天エリアで使えて、速度を求めない」方であればおすすめ。極端に高速な通信が必要だったり、読み込み遅延・接続不良のストレスが我慢できなかったりする人は、コスパの良さで決めるといいでしょう。
スマホに通信の安定性や速度を求めない方であれば、楽天モバイルがおすすめ。ahamoと比較して断然コスパが良いからです。
また、20GB以上使う方にも基本的には楽天モバイルがおすすめです。
ahamoの場合はデータ上限が30GBと定まっていますが、楽天モバイルは無制限。万が一30GBを超えた場合でも、速度制限にならずに済みます。
ちなみに楽天モバイルのエリアの確認はコチラのページからできます。一度ご確認ください。
楽天モバイルへ乗り換えた際の注意点も以下にまとめておきますので、こちらも事前に確認・把握しておいてくださいね。
楽天モバイルに乗り換える際の注意点
- 「Rakuten Link」アプリ以外での通話はすべて有料
 楽天モバイルで普通の通話をする場合、基本的にはすべて通話料がかかります。ただし「Rakuten Link」という通話用のアプリを介せば通話料は無料となります。
 ただこのアプリは楽天回線上で提供されるアプリ。つまりLINE電話のように通信状況でつながりやすさが変わるので注意してください。
- キャリアメールを使い続けるなら乗り換え“元”への支払いが必要
 「docomo.ne.jp」等のキャリアメールは基本的には使えなくなります。
 ただしどうしても必要な場合は、元のキャリアで「メール持ち運びサービス」を申し込むと、月額330円をもとのキャリアに支払うことで使い続けられます。
どちらも適さない方はこちら
 
    基本的にITリテラシーがあまりない方は、サポートが手薄いのでどちらもあまり適しません。
結論、ITリテラシーがあまりなく、スマホ関連のトラブルにおひとりで対応できない方はahamoも楽天モバイルもどちらも使うべきではありません。
ahamoは完全オンライン型のサービスなので対面サポートができません。その点楽天モバイルはいくつか実店舗を設けていますが、如何せんその数は少なめ。
大手キャリアの店舗数に比べるとかなり少なく、これまで通りには店舗を訪れられなくなります。
困った時にショップスタッフを頼りづらいので、ITリテラシーがあまりない方は、どちらのサービスもおすすめできないのです。
乗り換えるのであれば、格安SIMでも大手キャリアと同程度のサポートのあるものがおすすめです。
ahamoへの乗り換え方法
 
    自分はahamoのほうが良いみたい。じゃあどうやって乗り換えたらいいのかな?
 
    ahamoの場合、現在お使いのキャリアがドコモか他社かで乗り換え方が変わってきます。それぞれご説明しますね。
では、ahamoが向いている方へ向けて、今お使いのキャリアからahamoへ乗り換える方法を解説していきます。
乗り換えの仕方は、「今お使いのキャリアがドコモか・それ以外か」で変わってきますので、分けて説明しますね。
ドコモからahamoへの乗り換え方法
- ahamo公式サイトで申し込みをする
 契約形態で「docomoを契約中の方」を選択
- 必要な情報の入力をする
 SIMカードの差し替えは不要。
 申し込み完了後、即時ahamoのプランに切り替わる
ドコモ以外からahamoへの乗り換え方法
- ahamo公式サイトで申し込みをする
 契約形態で「他社からの乗り換え(MNP)」を選択。
 本人確認書類のアップロードやお客様情報を入力して申し込みを完了させる。
- SIMを受け取る
 公式サイトで開通手続きを開始する。(受付時間:9:00~21:00)
 その後スマホの電源を切ってSIMカードを差し替える。
- 開通確認をする
 再度電源を入れたら111に電話をかけて開通の確認と、Wi-Fiを切ってモバイルデータ通信ができるか確認を行う
ドコモからの乗り換えでも他社からの乗り換えでも、MNP予約番号(電話番号を継続利用させるための番号)の取得は不要です。
ドコモの場合は言わずもがなですが、現在はほとんどのスマホ事業者で「ワンストップ方式」が利用できます。
乗り換え元とahamo(ドコモ)側で、電話番号が継続利用できるよう手続きをしてくれます。
楽天モバイルへの乗り換え方法
 
    自分は楽天モバイルのほうが良いみたいだ。どうやって乗り換えたらいい?
 
    楽天モバイルの場合、MNP予約番号を使って乗り換えるのがもっとも手っ取り早いです。また店舗に行って手続きをすることもできますよ。
楽天モバイルの場合は、実店舗があるので、店舗に行って乗り換え手続きをすることも可能。ですが圧倒的にオンラインでお申し込みをするほうが手っ取り早いです。以下の手順でやってみてください。
楽天モバイルへの乗り換え方法
- 楽天モバイル公式サイトで申し込みをする
 契約形態で「他社からの乗り換え(MNP)」を選択。
 本人確認書類のアップロードやお客様情報を入力して申し込みを完了させる。
- SIMを受け取る
 「my 楽天モバイル」アプリやWebサイトで開通手続きをする。(受付時間:9:00~21:00)
 その後スマホの電源を切ってSIMカードを差し替える。
- 開通確認をする
 スマホの電源を入れてWi-Fiを切り、モバイルデータ通信ができるか確認する。
 その後再度Wi-Fiに接続し「Rakuten Link」アプリをダウンロードして、SMS認証を完了させる
まとめ
ahamoと楽天モバイルは別物!各サービスの性質を見極めて最適な選択をしよう
今回は、ahamoと楽天モバイルについて解説してきました。
どちらも格安SIMですが、ahamoはシンプルさにこだわったサービス。そのおかげでドコモの高品質な通信が格安な料金で使えます。
楽天モバイルはコスパがかなり高いサービス。格安なのにデータが無制限で使える時点で高コスパなのに加えて、楽天市場でのお買い物時に獲得できるポイントが5倍に増えます。
つまり、楽天経済圏の方にとっては生活全体のコスパの向上ができるサービスということです。
ここまで性質が大きく違うサービスなので、「どちらを選ぶか」は「それぞれのサービスがどのような人に合ったサービスか」を見極め、自分と照らし合わせることが重要になります。
ご自身にはどちらが合っているか、この記事で紹介したフローチャートを利用して、ぜひ見極めてくださいね。
ahamoと楽天モバイルで迷う方から
よく頂く質問
- 乗り換えで手数料はかかりますか?
- 基本的に3,300円がかかります。どのキャリアからどのキャリアに乗り換えようと、手数料として3,300円がかかることがほとんどです。 ただし、ドコモからahamoへの乗り換えは「ドコモ内のプラン変更」となるので、手数料はかかりません。 
- dポイントや楽天ポイントは支払いに使えますか?
- はい、どちらも使えます。ahamoの利用料金1,000円につきdポイントが10ポイント貯まります。またdポイントをスマホ代に充てることも可能です。 楽天モバイルも、毎月の利用料金100円につき楽天ポイントが1ポイント貯まります。貯まったポイントを料金に充当できますので、ポイント数次第では料金を全額ポイントで支払うことも可能です。 
- 家族割や自宅の光回線とのセット割はあるのですか?
- ahamoにはありませんが楽天モバイルには家族割があります。基本的に、ahamoでは家族割やインターネットとのセット割等はありません。ahamoの料金はそのままで限界まで安いので、これ以上安くはできないのだろうと推測されます。 楽天モバイルの場合、楽天モバイルを利用されているご家族が一人でもいれば、ご家族全員1人あたり月額110円が割り引かれます。 
いらっしゃいませ、株式会社INEの丸山です。
ドコモの格安SIM「ahamo」と楽天の格安SIM「楽天モバイル」。
「格安SIMへの乗り換えを検討しているが、速度や使い勝手は大丈夫なのかな」。
このような不安を抱えるお客様には、ネームバリューのあるこの2つの格安SIMは乗り換え先の候補に挙がりやすいでしょう。
両サービスは性質が違うので、料金や通信品質だけでは比較できません。そのため、“お客様の使い方・価値観に合うかどうか”で判断すべきです。
この記事では、ahamoと楽天モバイルについて、それぞれどんなサービスなのか、そしてどんな人物に合うのかを解説します。どちらを使うべきか悩んでいる方は、ぜひご一読ください。