ソフトバンク光の工事を徹底解説！マンション・戸建て別の作業フローと穴あけ・期間の注意点

「工事内容」を徹底解説！壁への穴あけは9割以上不要

「光回線の工事」と聞くと、壁にドリルで穴を開けたり、大掛かりな作業を想像してしまいがちですが、実際にはそこまで心配する必要はありません。

ソフトバンク光の工事は、大きく分けて作業員が訪問する「派遣工事」と、訪問しない「無派遣工事」の2種類があります。

そして、ユーザーの皆様が最も懸念される「壁への穴あけ」ですが、これはあくまで配管やダクトが使えない場合の最終手段であり、ほとんどのケースでは行われません。

それぞれの工事内容と、穴あけを回避する仕組みについて詳しく見ていきましょう。

作業員が来る「派遣工事」と来ない「無派遣工事」の違い

ソフトバンク光を「新規」で申し込んだ場合、建物の設備状況によって、以下の2種類のどちらになるかが決まります。

1. 派遣工事（立ち会いあり）

全体の9割以上がこちらに該当します。

NTTの作業員が自宅に訪問し、電柱から光ケーブルを引き込んで、部屋の中に「光コンセント」や「ONU（回線終端装置）」を設置する作業を行います。

作業時間は建物の状況にもよりますが、おおよそ1時間から1時間半程度を見ておけば間違いありません。

工事費は最大で31,680円となりますが、こちらは後述するキャンペーンによって実質無料になります。

なお、家の中での作業が発生するため、当日は必ず立ち会いが必要です。

2. 無派遣工事（立ち会いなし）

マンションなどの集合住宅で、前の住人が使っていた光回線の設備（光コンセントや配線）が撤去されずにそのまま残っており、かつNTT側で「再利用可能」と判断された場合のケースです。

特に賃貸マンションやアパートでは比較的よく発生します。

こちらは作業員の訪問がないため、立ち会いの必要はありません。工事費は4,620円で済みます。

工事日までに機器が郵送されてくるので、当日はご自身でコンセントにつなぐだけでインターネットが利用開始できます。

「転用・事業者変更」は工事自体がありません

現在フレッツ光や他社光コラボを利用中で、ソフトバンク光へ乗り換える場合は、上記の「無派遣工事」とも異なります。

この場合は「無工事（工事不要）」という扱いになり、現在の回線をそのまま使い続けるため、基本的に工事費も発生しません。混同しないように注意しましょう。

「穴あけ」は最終手段！回避するための優先順位

派遣工事になったとしても、「壁に穴を開けられる」と決まったわけではありません。

工事業者は、建物を傷つけない方法を最優先して作業を進めます。

具体的には、以下の優先順位で配線ルートを検討します。

特にマンションタイプの場合は、建物ごとの共用設備から各部屋へ配線するルートがあらかじめ確保されていることが多いため、基本的に穴あけ工事は発生しません。

賃貸での「ビス留め」トラブルと強力両面テープの活用

穴あけ以外に注意したいのが、ケーブルを固定するための「ビス留め（ネジ止め）」です。

光ケーブルを外壁に這わせたり、室内に光コンセントを設置したりする際、固定のために数ミリのネジを打つことがあります。

持ち家なら問題ありませんが、賃貸物件の場合はトラブルの原因になることもあります。

どうしてもビス留めを避けたい場合は、工事当日に作業員へ「強力な両面テープで固定できないか」相談してみるのも一つの手です。

また、申し込み時や工事当日に「建物に傷をつける工事が必要ならキャンセルします」と事前に伝えておくことで、望まない施工を未然に防ぐことができます。

戸建て・マンション別！工事当日の作業フロー

戸建てなら電柱から、マンションなら共用部からケーブルを通し、お部屋に専用機器（ONU）を設置して完了です。

「工事」といっても、戸建てとマンションでは作業内容が大きく異なります。

当日はどのような流れで作業が進むのか、建物タイプ別に具体的なステップを見ていきましょう。

これを知っておくと、当日の立ち会いがスムーズになりますよ。

【戸建て】電柱からの引き込みと宅内配線

戸建ての場合、最寄りの電柱からお客様の建物まで、物理的に光ケーブルを引き込む作業がメインとなります。

所要時間の目安は1時間〜2時間程度です。

【マンション】MDF室での作業と各部屋への配線

マンションなどの集合住宅では、すでに建物内の共用スペース（MDF室など）まで光回線が引き込まれているケースがほとんどです。

そのため、戸建てに比べて作業は簡単で、所要時間は30分〜1時間程度で終わることが多いです。

マンションの場合、建物の設備状況によっては、作業員が家に入らずにMDF室の作業だけで終わる「無派遣工事」になることもあります。

その場合は、事前に郵送される機器をご自身で接続するだけで利用開始できます。

開通までの「期間」と当日の「立ち会い」時間

ソフトバンク光の申し込みから工事完了（開通）までの期間は、申し込みの時期によって大きく変動します。

引越しの少ない通常期（6月〜1月頃）であれば、戸建て・マンション共に概ね2週間〜1ヶ月程度で開通できるのが一般的です。

しかし、進学や就職に伴う引越しシーズンである繁忙期（2月〜5月頃）は状況が一変します。

工事の予約が殺到するため、1ヶ月〜2ヶ月、場合によってはそれ以上待つことも珍しくありません。

この時期に工事を予定している場合は、引越し日が決まった段階で即座に申し込みを済ませて、工事枠を確保しておくのが鉄則です。

工事当日の所要時間と立ち会いの必要性

工事当日は、作業員が宅内に入って作業を行うため、契約者本人またはご家族の立ち会いが必須となります。

留守中に勝手に工事をしておいてもらう、といったことはできません。

所要時間の目安は、戸建てなら1時間〜2時間程度、マンションなら30分〜1時間程度です。

ただし、建物の配管が詰まっているなど、予想外のトラブルがあると時間が延びる可能性があります。

工事の後に外せない大事な予定を入れるのは避けておいた方が無難です。

土日祝日工事の注意点と事前連絡

工事は土日祝日に行うことも可能ですが、基本工事費とは別に3,300円（税込）の割増金が発生します。

この追加料金は「工事費実質無料キャンペーン」の対象外となり、実費負担となる点に注意が必要です。

また、工事の予約時間は「午前」「午後」といった大まかな枠での指定となり、「13時に来てほしい」といった細かい時間の指定は基本的にできません。

当日の朝、または到着の直前に、担当の作業員から「あと〇〇分くらいで伺います」という事前連絡が入ることが一般的ですので、電話に出られるようにしておきましょう。

賃貸で「大家の許可」が必要なケース・不要なケースの判断基準

賃貸物件にお住まいの方にとって、最大のハードルは「大家さんや管理会社への連絡」ではないでしょうか。

「工事をしたいと言ったら断られるかも…」と不安に思う方も多いはずです。

しかし、すべてのケースで許可が必要なわけではありません。

ご自身の状況が「許可が必要なケース」なのか「不要なケース」なのか、判断基準を見ていきましょう。

【許可が必要】新規で光回線を引き込む場合

建物に光回線の設備がなく、電柱から新しく光ケーブルを引き込む場合（派遣工事ありのケース）は、建物の所有者である大家さんや管理会社の許可が必須となります。

その最大の理由は、工事当日に「共用部の解錠」や「外壁への固定」が必要になるからです。

特にマンションの場合、配線の接続を行うMDF室（配電盤）には鍵がかかっていることが一般的です。

事前に連絡をして鍵を開けてもらわないと、作業員が到着しても手も足も出ず、工事が中止になってしまいます。

許可をもらう際は、「壁に穴を開ける工事」ではなく「既存の配管を利用して、傷をつけずに引き込む工事」であることを伝えると、スムーズに承諾を得やすくなります。

【許可が不要】転用・事業者変更の場合

現在「フレッツ光」を利用していてソフトバンク光へ乗り換える（転用）場合や、「ドコモ光」などの他社光コラボから乗り換える（事業者変更）場合は、原則として許可は不要です。

なぜなら、これらは今使っているNTTの回線設備をそのまま流用する契約変更であり、新たな物理的な工事が発生しないからです。

契約先が変わるだけの手続きなので、わざわざ大家さんに報告する必要はありません。

【許可が不要】部屋に「光コンセント」がある場合

新規契約であっても、以前の住人が使っていた回線設備がそのまま残されている場合があります。

お部屋の壁に「光」や「光コンセントSC」と書かれた差込口があればラッキーです。

この場合、すでに部屋まで回線が来ているため、工事担当者が派遣されない「無派遣工事」となる可能性が高いです。

建物への物理的な作業がないため、基本的には大家さんへの許可取りは不要で進められます。

「実質無料」キャンペーンの仕組みと残債リスク

光回線の契約で最も金銭的なハードルとなるのが「初期工事費」です。

ソフトバンク光の工事費は、2024年の価格改定により最大で31,680円と、決して安い金額ではありません。

しかし、キャンペーンを利用することで、この費用を「実質無料」にすることができます。

ただ、この「実質」という言葉には少し注意が必要です。後で損をしないために、お金の仕組みをしっかり理解しておきましょう。

工事費用の総額と内訳パターン

ソフトバンク光の初期費用において、最も金額が大きいのが「開通工事費」です。

契約形態（新規か乗り換えか）と、作業員の訪問有無によって以下の3パターンに分かれます。

ソフトバンク光の工事費と適用ケース一覧

パターン	工事費（税込）	対象となるケース
① 派遣工事 （新規契約）	31,680円 ※実質無料	・新規契約の9割以上 ・光コンセントがない、または古い場合
② 無派遣工事 （新規契約）	4,620円 ※実質無料	・室内に既存設備があり、NTTが「再利用可能」と判断した場合のみ
③ 転用・事業者変更 （乗り換え）	0円 （工事不要）	・フレッツ光や他社光コラボからの切り替え

① 派遣工事（31,680円）

新規契約者の多くが該当します。一括払い、または分割払い（12回・24回・36回・48回・60回）が選択可能です。

金額は高額ですが、後述する公式キャンペーンにより、分割払い相当額が毎月割引されるため、実質的な自己負担は発生しません。

② 無派遣工事（4,620円）

「光コンセントがあるから必ず無派遣」とは限りません。設備が残っていても、断線や規格の古さが原因で派遣工事（①）になるケースも多々あります。

申し込み後にNTTが設備状況を確認し、問題なく再利用できると判断された場合のみ、この安価な料金が適用されます。

③ 転用・事業者変更（0円）

現在フレッツ光や、ドコモ光などのコラボ回線を利用している方が対象です。

この場合、そもそも「工事」自体を行いません。

局内の信号切り替えのみで完了するため、工事費は一切かかりません。

「実質無料」の仕組みと注意点｜割引開始にはタイムラグがある

最大31,680円の工事費が「実質無料」になる仕組みは、シンプルに言えば「分割払いの金額と同額を、毎月値引きして相殺する」というものです。

具体的には、まず工事費を24回などの分割払いで契約します。

毎月の請求には分割代金（例：1,320円）が加算されますが、キャンペーンの適用が始まると、その同額（-1,320円）が基本料金などから割り引かれます。

プラスの請求額とマイナスの割引額が打ち消し合うため、最終的な自己負担額は0円になる、というわけです。

【注意1】ソフトバンク光は「請求」と「割引」の開始月がズレる

非常に重要な点として、ソフトバンク光では以下のように開始時期にズレ（タイムラグ）が生じます。

工事費の引き落としは開通の翌月から始まりますが、キャンペーンの割引が適用されるのは、そこからさらに数ヶ月後（例：課金開始から7ヶ月目以降）になります。

そのため、最初の数ヶ月間（1回〜数回分）は、割引が適用されず「工事費の支払いだけ」が発生する期間があります。

もちろん、遅れて始まった割引は規定回数分（24回など）しっかり適用されるため、最終的な「総額」では損をしませんが、契約直後の請求額が少し高くなる点は理解しておきましょう。

【注意2】途中で解約すると「残債」が一括請求される

「実質無料」とは、あくまで「ソフトバンク光を使い続けている間は、分割代金を肩代わりしますよ」という制度です。

もし工事費の完済前（例：24回払いなら2年以内）に解約してしまうと、その時点でキャンペーン割引は終了します。

結果として、まだ支払っていない残りの工事費（残債）を一括で支払う義務が生じます。

「無料だから」と安易に考えず、少なくとも工事費の分割期間中は使い続けるつもりで契約しましょう。

キャンペーン対象外の費用に注意｜土日祝や電話の工事費

「工事費実質無料」という言葉は魅力的ですが、すべての費用が無料になるわけではありません。

以下の費用はキャンペーンの対象外となり、初回の請求時などに加算されるため、予算に入れておく必要があります。

このように、インターネット回線の工事費以外にも「数千円単位の出費」がいくつか発生する可能性があります。

請求書を見て「思ったより高い」と驚かないよう、これらの費用は別枠で計算しておくと安心です。

工事待ちの期間も安心！「開通前レンタル」で即日ネット利用

光回線のデメリットである「申し込みから開通までの空白期間」を埋めるため、ソフトバンク光には「開通前レンタル」という強力な特典が用意されています。

このサービスを利用すれば、申し込みから最短3〜4日で、コンセントに挿すだけの「SoftBank Air」や持ち運び可能な「Pocket WiFi」がご自宅に届きます。

初期費用も月額料金も完全無料で、データ容量の制限もありません。

そのため、引越し直後や工事待ちの期間でも、普段通りに動画を見たり仕事をしたりすることが可能です。

利用手順も非常にシンプルです。

ソフトバンク光の申し込み時に「開通前レンタルを利用したい」と申告する（WEBフォームならチェックを入れる）だけで、面倒な手続きは一切不要です。

エリア状況に応じて最適な機器が自動的に送られてくるので、到着を待つだけで済みます。

工事が無事に完了し、光回線が開通したら、レンタル機器を返却して終了です。

「ネットが使えない期間」を極限まで短くできるため、急ぎの方にとって非常に心強いサービスと言えます。

工事当日に慌てないための「事前準備」と「工事不可」時の対応

いよいよ工事日が近づいてきたら、当日の作業がスムーズに進むように少しだけ準備をしておきましょう。

「作業員が来たけど、家具が邪魔で作業できない」といったトラブルを防ぐためです。

また、稀にですが当日になって「工事ができない」と判明するケースもあります。

そんな時の対処法もあらかじめ知っておけば、いざという時に焦らずに済みますよ。

当日までにやるべき3つの準備

工事当日にバタバタしないよう、以下の3点だけは事前に準備しておきましょう。

1. ONU（黒い機器）の設置場所を決めておく

光コンセントから近い場所に設置するのが基本です。

テレビの裏や電話台の近くなど、邪魔にならない場所を考えておきましょう。

Wi-Fiルーターもその近くに置くことになるため、家の中心に近い場所だと電波が届きやすくておすすめです。

2. 作業スペースを確保する（家具を動かす）

光コンセント（または電話線の差込口）の周辺で作業を行います。

もしその前に大きな棚やソファ、テレビ台などがある場合は、作業員が手を入れて作業できるよう、事前に少し動かしてスペースを空けておきましょう。

3. 電源コンセントの空きを確保する

意外と忘れがちなのが電源です。設置される機器（ONUと光BBユニット）のために、最低でも2口分のコンセント穴が必要になります。

設置予定場所のコンセントが既にテレビや録画機器で埋まっている場合は、「電源タップ（スイッチ付きなどの延長コード）」を事前に用意し、コンセントの口数を増やしておきましょう。

マンションタイプ特有の事前連絡

マンションタイプの場合、部屋の片付けと同じくらい重要なのが「管理会社への事前連絡」です。

工事日が決まったら、必ず管理会社や管理人さんに「工事の日時」と「ソフトバンク光の業者が来ること」を伝えておきましょう。

理由は主に2つあります。

「せっかく業者が来たのに作業できなかった」という事態を防ぐためにも、連絡一本を忘れないようにしてください。

「工事不可」と判定された場合の対処法

当日、作業員が調査した結果、建物の構造上の問題や配管の詰まりなどが原因で「工事不可」と告げられるケースが稀にあります。

非常に残念な事態ですが、この場合は工事費やキャンセル料などの費用は一切かかりませんのでご安心ください。

無理に工事をして建物を傷つけるわけにはいかないため、きっぱりと諦めて次の手段を考えましょう。

ソフトバンク光が導入できなかった場合の代替案としては、工事不要の「SoftBank Air」への切り替えがスムーズです。

同じソフトバンクのサービスなので手続きも簡単で、引き続き「おうち割 光セット」などの割引も適用可能です。

ソフトバンク光とSoftBank Airの主な違い

比較項目	ソフトバンク光 （光回線）	SoftBank Air （ホームルーター）
月額料金	戸建て：5,720円 マンション：4,180円	5,368円
開通工事	必要 （立ち会いあり）	不要 （コンセントに挿すだけ）
通信速度 安定性	非常に安定 オンラインゲームやWeb会議も快適	環境に左右される 動画視聴などは問題ないが、夜間は遅くなることも
利用開始まで	2週間〜1ヶ月 （開通前レンタルでカバー可能）	最短3日程度 （機器が届けば即日）
おすすめな人	通信速度を重視する人 FPS等のゲームをする人	工事ができない人 配線をごちゃごちゃさせたくない人

表で比較した通り、通信の安定性や速度を重視するなら、やはり『ソフトバンク光』が圧倒的に有利です。

そのため、「工事ができるか不安だから最初からAirにする」のではなく、「まずは本命のソフトバンク光で申し込んでみて、ダメならAir」という順番で進めるのが、リスクもなく後悔しない最適な選び方ですよ。

ここまで、ソフトバンク光の工事内容や費用、注意点について詳しく解説してきました。

記事を読み進める中で、「工事」に対するハードルはだいぶ下がったのではないでしょうか。

最も不安に感じる方が多い「壁への穴あけ」に関しては、全体の9割以上で発生しません。

基本的には電話線の配管やエアコンダクトといった既存の設備をうまく利用するため、建物を傷つけることなくスマートに開通可能です。

また、初期費用の高さも「実質無料キャンペーン」によってカバーされますし、開通までの待ち時間も「開通前レンタル」でWi-Fiが無料で使えるため、金銭的・時間的なデメリットも最小限に抑えられています。

万が一、当日の調査で「建物の構造上、工事ができない」と判断された場合でも、費用をかけずにキャンセルしてSoftBank Airへ切り替えることができるため、金銭的な損をする心配はありません。

まずはご自宅がソフトバンク光の提供エリア内かどうかを確認し、問題なければ工事日の予約へと進んでみましょう。