WiMAXの引っ越し手続きは住所変更だけ？継続か乗り換えか損しないための判断基準

WiMAXは引っ越し先でも住所変更だけでそのまま使える

WiMAXの最大のメリットは、光回線のような「回線工事が一切不要」であることです。

そのため、基本的には現在お使いのルーター端末を新居に持っていき、コンセントに挿すだけで、引っ越し当日からすぐにインターネットを利用することができます。

光回線の場合、引っ越し先での開通工事に2週間〜1ヶ月、繁忙期ならそれ以上待たされることも珍しくありません。

また、退去時の撤去工事や立ち会いといった手間も発生します。

そうした面倒なスケジュール調整や、ネットが使えない空白期間を気にしなくて済むのは、WiMAXならではの大きな強みですね。

ただし、これはあくまで「新居がWiMAXの提供エリア内であること」が前提条件となります。

エリア外や電波の入りにくい環境では利用できないため、手軽さに油断せず、次項で解説する手続きと確認をしっかりと行いましょう。

手続きはマイページから「住所変更」をするだけ

WiMAXには持ち運び可能な「モバイルルーター」と据え置き型の「ホームルーター」の2種類がありますが、どちらの機種を利用していても、引っ越し時には必ず契約住所の変更手続きが必要です。

手続きは、ご自身が契約している「プロバイダ」のマイページ（会員サイト）から行います。

もし契約先が分からない場合は、ルーター本体の裏面にあるシールや、毎月の利用料が引き落とされているクレジットカードの明細（請求元名称）を確認してみてください。

住所変更を怠ると、請求書や重要なお知らせが旧住所に届いてしまい、個人情報の漏洩や、支払いが確認できずに回線が停止されるといったトラブルに繋がる恐れがあります。

新しい生活をスムーズに始めるためにも、引っ越しが決まったら忘れずに手続きを行いましょう。

エリア確認は必須！「提供エリア内」でも油断禁物な理由

新居にWiMAXを持っていく前に、必ずUQ WiMAX公式サイトの「サービスエリアマップ」を確認しましょう。

住所を入力して検索し、自宅の場所が「5G」や「4G LTE」などの対応エリアを示す色で塗られているかをチェックします。

色が塗られていない場所（エリア外）では、当然ながら利用することはできません。

しかし、最も注意すべきなのは、「地図上ではエリア内（色が塗られている）なのに、実際には繋がらないケースがある」という点です。

エリアマップはあくまでシミュレーション上の電波到達範囲であり、個別の建物の状況までは反映されていません。

WiMAXの電波（特に高速な5G帯域）は障害物に弱いため、以下のような環境では、地図上はバッチリ「エリア内」でも、室内には電波が届かないことがあります。

このように、マップの色だけでは分からない物理的な相性が存在します。

もし新居が上記のような環境で、電波が入るか不安な場合は、無理に継続するのではなく、後ほど紹介する「乗り換え」も選択肢の一つとして検討することをおすすめします。

主要プロバイダ別！WiMAXの住所変更手続きガイド

WiMAXは、KDDIグループの「UQコミュニケーションズ」が回線元ですが、実際のサービスは「GMOとくとくBB」や「Broad WiMAX」など、数多くのプロバイダ（販売代理店）を通じて提供されています。

そのため、「WiMAX」というサービス名は同じでも、住所変更の手続きを行う窓口は、お客様が契約したプロバイダによって異なります。

まずはご自身の契約先を特定し、そのプロバイダの会員ページ（マイページ）から手続きを行ってください。

主要なWiMAXプロバイダの住所変更窓口を以下にまとめました。

主なWiMAXプロバイダの住所変更窓口一覧

プロバイダ名	マイページ名称 （Web手続き）	電話問い合わせ先
UQ WiMAX	my UQ WiMAX	0120-929-818 （9:00～20:00）
Broad WiMAX	お客様向けサポートサイト	0120-546-376 （11:00～18:00）
GMOとくとくBB	BBnavi	0570-045-109 （10:00～19:00）
BIGLOBE	マイページ	0120-86-0962 （9:00～18:00）
エコスマWiMAX	マイページ	0120-371-053 （9:00～20:00）

※表に記載のないプロバイダをご利用の場合は、
公式サイトの「会員サポート」や「よくある質問」から変更方法をご確認ください。

手続きのタイミングは、引っ越しが決まったらすぐに行うのがベストです。

遅くとも引っ越し前後数日以内には完了させましょう。

住所変更を忘れていると、請求書が旧住所に届いてしまい、最悪の場合、個人情報の漏洩や料金未払いによる利用停止などのトラブルに発展する可能性があります。

また、「久しぶりのログインでIDやパスワードを忘れてしまった」という方も多いはずです。

そんな時は、契約時に送られてきた「契約書類」や、ルーター端末本体（裏面や電池パックの下など）に貼られたシールを確認してみてください。初期IDやパスワードが記載されていることがあります。

それでも分からない場合は、各プロバイダの公式サイトにある「ID・パスワードをお忘れの方」というリンクから再発行の手続きを行いましょう。

WiMAXを「継続」するか「乗り換え」るかの判断基準

引っ越しは、WiMAXをそのまま使い続けるか、それとも他社の回線へ乗り換えるかを見直す絶好のタイミングです。

「手続きが面倒だからとりあえず継続で」と安易に決めてしまうと、新居で繋がらなくて困ったり、もっとお得に使えるチャンスを逃してしまったりするかもしれません。

特に、WiMAXは使用環境による影響を受けやすいサービスです。

以下の3つの基準をチェックして、ご自身の状況にとって「継続」と「乗り換え」のどちらがベストな選択なのかを冷静に判断しましょう。

基準1：新居での実機テストの結果

前述の通り、地図上でエリア内であっても、建物の構造や階数によっては電波が入らないリスクがあります。

特に「鉄筋コンクリート造」や「高層階」へ引っ越す場合、地図だけの判断は禁物です。

そこで最も確実なのが、引っ越し当日に、手持ちのルーターを新居で使ってみることです。

荷解きをする前に、まずはルーターをコンセントに挿し、「アンテナが何本立つか」「普段通りの速度で動画が見られるか」を確認してください。

もしこの実地テストで「圏外」や「極端に遅い」という結果が出れば、迷わず「乗り換え」を選択すべきです。

逆に問題なければ、安心して「継続」の手続きを進められます。

基準2：契約更新月と違約金の有無

次に確認すべきは、現在の契約状況です。

もし、現在のご契約に2年や3年の契約期間が設けられている場合、「更新月」以外での解約には違約金（契約解除料）が発生します。

ちょうど引っ越しのタイミングが更新月と重なっているのであれば、それは乗り換えの絶好のチャンスです。

違約金を払うことなく、高額なキャッシュバックや最新端末がもらえる他社回線へ自由に乗り換えることができます。

逆に、更新月以外で高額な違約金（特に旧プランの場合など）が発生してしまう場合は、そのまま継続するか、あるいは後述する他社の「違約金負担キャンペーン」を利用して負担をゼロにするか、慎重にシミュレーションする必要があります。

基準3：端末代金の残債があるかどうか

意外と見落としがちなのが、「端末代金の残債」です。

WiMAXのルーター端末を分割払いで契約し、キャンペーンなどで「端末代金を実質無料（毎月の分割代金と同額を割引）」にしている場合、解約時には注意が必要です。

解約をした時点で、その「毎月の割引」は終了してしまいます。

しかし、「端末代金の支払い義務」は残るため、残りの金額（残債）を一括で支払わなければなりません。

例えば、27,720円の端末を36回払いで契約し、1年（12ヶ月）で解約した場合、残り24ヶ月分の端末代金（約18,000円）が解約時に請求されます。

まだ残債が残っている場合は、単純な解約ではなく、「端末残債まで負担してくれる」強力な乗り換えキャンペーンを実施している回線（SoftBank Airやソフトバンク光など）を選ぶのが賢い選択です。

違約金負担ゼロで乗り換えるなら「他社違約金還元」を活用

「WiMAXを解約したいけれど、更新月以外で違約金がかかる」「端末代の残債が数万円も残っている」といった金銭的なハードルにより、新居で繋がりにくいWiMAXを我慢して使い続けるケースは少なくありません。

しかし、多くの通信会社では、他社から乗り換えてくれるユーザーを対象に、解約にかかる費用を全額（または一部）還元するキャンペーンを実施しています。

これを利用すれば、高額な違約金や端末残債を気にすることなく、負担ゼロで新しいインターネット環境へ移行できます。

SoftBank Airやドコモ home 5Gへの乗り換え

「工事不要の手軽さは捨てがたい」という方には、WiMAXと同じホームルータータイプへの乗り換えがおすすめです。

以下の2社は、他社からの乗り換えに対して強力なキャンペーンを展開しています。

まずは基本スペックと特典内容を比較してみましょう。

乗り換えにおすすめのホームルーター比較

サービス名	SoftBank Air （Airターミナル6）	ドコモ home 5G （HR02）
月額料金	5,368円	5,280円
端末代金	71,280円 （実質無料 / 48回）	73,260円 （実質無料 / 48回）
事務手数料	4,950円	4,950円 （Web申込で無料）
違約金補填	最大10万円 （現金還元）	最大2.2万pt （dポイント還元）
スマホ割	SoftBank / Y!mobile	docomo

※2025年7月現在の情報です。

他社の違約金・撤去工事費・端末代金の残債を、最大10万円まで還元してくれます。

WiMAXの端末代が数万円残っている場合でも、この上限額なら余裕を持って全額カバーできるでしょう。

ソフトバンクやワイモバイルユーザーなら、スマホのセット割も適用されます。

他社の違約金や端末残債相当額を、最大22,000円分のdポイントで還元してくれます。

ドコモユーザーならセット割が使えますし、プラチナバンド（繋がりやすい周波数帯）に対応しているため、WiMAXが苦手とするエリアでも快適に通信できる可能性があります。

　

通信品質重視なら光回線への乗り換えも検討

もし新居での利用目的が「オンラインゲーム」や「高画質動画の視聴」メインである場合、無線通信のWiMAXではなく、有線接続の「光回線」への乗り換えが最も確実な解決策となります。

光回線であれば、通信速度の速さはもちろん、Ping値（応答速度）も安定しているため、ラグに悩まされることなく快適に利用できます。

また、光回線でも、他社からの乗り換え費用を負担するキャンペーンが充実しています。

乗り換えにおすすめの光回線比較

サービス名	ソフトバンク光	auひかり
月額料金 （戸建て）	5,720円	5,610円
月額料金 （マンション）	4,180円	4,180円
工事費	実質無料	実質無料
違約金補填	最大10万円	最大3万円 （+上乗せ特典あり）
スマホ割	SoftBank / Y!mobile	au / UQ mobile

ソフトバンク光やauひかりであれば、高額なキャッシュバックや違約金負担を活用して、WiMAXの解約費用を実質ゼロにしつつ、より高速で安定した通信環境へアップグレードすることが可能です。

ただし、光回線の導入には開通工事が必要となり、申し込みから利用開始までに2週間〜1ヶ月程度（繁忙期はそれ以上）の期間を要します。

引っ越し直後からインターネットを使いたい場合は、早めの申し込みが必要です。

引っ越し先でWiMAXが遅い・繋がらない時の対処法

「事前のエリア判定は問題なかったのに、実際に新居で使ってみたら速度が遅い」「電波が安定しない」といったトラブルは、建物の構造や周辺環境の影響で起こり得ます。

しかし、すぐに諦めて解約を検討する必要はありません。

ルーターの設置場所を少し変えたり、設定を見直したりするだけで、通信状況が劇的に改善するケースも多々あります。まずは以下の対処法を試してみてください。

設置場所（窓際・高さ）を工夫する

WiMAXの電波は障害物に弱い性質があるため、建物の奥まった場所では電波が弱くなりがちです。

そのため、ルーターを基地局の方向にある「窓際」に移動させるだけで、受信感度が向上し、速度が改善することがよくあります。

ただし、直射日光が当たり続けると熱暴走の原因になるため、レースのカーテン越しや風通しの良い場所に置くのが理想的です。

また、床に直置きするのではなく、棚の上など「床から高い位置」に設置するのも効果的です。

高い位置に置くことで、周りの家具などの障害物を回避しやすくなり、電波を拾いやすくなります。

周波数帯や通信モード設定を見直す

ルーターの設定を変更することで、本来の性能を引き出せる可能性があります。

初期設定の2.4GHz帯は、電子レンジやBluetooth機器、隣人のWi-Fiなどと干渉しやすく、速度低下の原因になります。

障害物に弱いが干渉に強い「5GHz帯」に切り替えることで、通信が安定する場合があります。

WiMAXルーターには気象レーダーとの干渉を避けるDFS機能があるため、5GHz帯は「屋内」での利用設定にしましょう。

省電力のための「エコモード」になっていると、アンテナ感度が抑制されてしまいます。

電池持ちは悪くなりますが、通信速度と安定性を重視する「ハイパフォーマンスモード」に変更しましょう。

「ハイパフォーマンスモード」はWX06やW06などの一部の旧機種で利用可能な機能です。

どうしても繋がらない時は、標準のWiMAX 2+回線よりも広域をカバーするauのプラチナバンド（4G LTE）を使える「プラスエリアモード」に切り替えてみましょう。

通常は月額1,100円のオプション料金がかかりますが、auスマートバリューまたは自宅セット割（UQモバイル）に加入している場合は無料で利用できます。

プランによっては月間容量制限（15GBや30GBなど）があるため、使いすぎによる速度制限には注意が必要です。

今回は、WiMAXの引っ越し手続きや、継続か乗り換えかの判断基準について解説しました。

WiMAXは、面倒な工事なしで、住所変更の手続きをするだけで新居でもすぐに使える便利なサービスですが、建物の構造やエリアによっては「繋がらない」「遅い」といったトラブルが起きる可能性もあります。

そのため、まずは新居のエリア判定や建物構造をしっかりとチェックし、更新月や端末残債の状況と合わせて、継続利用するか乗り換えるかを慎重に判断しましょう。

もし乗り換える場合は他社の「違約金負担キャンペーン」をフル活用し、継続する場合はルーターの設置場所や設定を見直すことで、通信環境を改善できるはずです。

「とりあえず持っていけばいいや」と安易に考えず、ご自身の契約状況と新居の環境をしっかり確認して、損のない快適なインターネット環境を整えてくださいね。