OCN光はマンションで利用可能！ただし快適にネットをしたいなら他回線がオススメ

OCN光はほとんどのマンションで使える

前提として、OCN光というのは「NTTの光ファイバーを利用して、OCNが提供」しています。

インターネット通信というサービスは、言うまでもなく“回線という設備（光ファイバーなど）”が無くては取り扱えません。
しかし、全国規模に展開する設備というのは簡単に用意できるものではないので、多くの企業は「大手のNTTが持っている回線を借り受ける」ことでサービス提供を行っているのですね。

イメージとしては、コンビニやスーパーに置かれているプライベートブランド商品。

皆さんも、ファミリーマートの陳列棚に「FamilyMartロゴが入ったポテトチップス」を見たことがありますよね？
その裏に書かれている詳細を見ると、製造元は実のところカルビーだったりします。

言ってしまえば、ONC光は「NTTの工場で生産されたOCNのプライベートブランド商品」ということ。
ちなみに、業界ではこういったサービスを“光コラボ”と呼んでいます。

何が言いたいかというと、NTTの回線が通っているならOCN光も当然使えますよ、ということです。

お住まいのマンションにNTTの回線が通っているのかどうか？それは、管理会社（もしくは大家さん）に問い合わせれば一発で確認できます。

具体的には、「家でフレッツ光は使えますか」と訊いてみてください。

“フレッツ光”というのは、NTTが提供している回線サービスの名称です。
つまり、これを使えるということはNTTの設備が整っているという意味なので、すなわちOCN光も利用できると判断できるのですね。

ちなみに、「すでに光コラボを使っている」というお客様については、問い合わせるまでもなく「OCN光も使える」と判断できます。

そのように検索すると、すぐに答えが見つかるはずです。
「ごちゃごちゃしていて、結局どうなのか判らない」というときは、やはり管理会社に問い合わせてしまうのが1番でしょう。

ちなみに、以下のようなサービスは“光コラボ”の代表格なので、参考にしてください。

設備が整っていない場合、OCN光を利用するためには「NTTの光ファイバーを建物に引き込む工事」を執り行わなくてはいけません。

それ自体は（時間と費用がかかるものの）可能なのですが、管理会社から許可をもらえないことがあるのですね。

言うまでもなく、工事は建物に手を加える作業なので、管理会社としては簡単にOKを出せません。何故って、万が一傷がついてしまうと建物の価値が下がってしまいますからね。

もちろん管理会社の意向次第なのですが、拒否されてしまう可能性があることは頭にいれておきましょう。

加えて注意が必要なのは、「無料で使えるWi-Fiが備わっているマンションでは許可をもらいにくい」ということ。

当然ながら、無料でWi-Fiが使えるということは、そのサービスと管理会社は提携しています。

より具体的には、「入居者の数だけサービスを提供する」という約束があるわけですね。

そうなると、入居者の都合で“提携していない回線サービス”を使うというのは、管理会社と回線会社との約束が反故になることを意味します。

契約内容によりけりですが、管理会社としては面白くない話ですし、何より「提携していない会社の回線サービスを導入するためのコストや、工事で建物に傷がつくリスク」は許容しにくいもの。

というわけで───もちろん交渉結果によってはOKが出ることもありますが───無料Wi-Fiがあるマンションだと、OCN光の利用は難しいのですね。

ここまで色々と説明しましたが、結局のところ「NTTの光ファイバーが通っているマンションなら、OCNも使える」という点は変わりません。

そして、そのNTTの光ファイバーは日本全国の約99.9%に普及しているのです。

つまり、ほとんどのマンションでOCN光を使う準備は整っているのですね。

ただしOCN光は“良くも悪くもない回線”

OCN光そのものは、目立ったデメリットがあるわけでもないので、「どうしても」というお客様を止めるつもりはありません。

ただし、当社としては「OCN光は良くも悪くもないサービス」だと思いますので、他にも目を向けておいてほしいというのが本心です。

いったいどういうことかというと…まず、こちらをご覧ください。

これは、主な通信回線サービスを“月額料金の安さ”と“回線速度”に着目してマッピングした図です。

ご覧の通り、料金面でも速度面でも、OCN光よりも優れたサービスが他にいくつも存在しているのですね。

ハッキリ言ってしまうと、ソフトバンク光かドコモ光を選んだ方が賢いと思います。

OCN光を否定する材料もありませんが、特別おすすめする要素も無いというのが正直なところです。

厳密に言うなら、「OCN光は高速回線のひとつではあるものの、もっと快適に利用できるサービスが他に沢山ある」のです。

ご覧の通り、赤い範囲に位置する回線は“遅い部類”にあるのですが、OCN光はそこから外れています。つまり、高速なことに違いはありません。

そもそもネット回線というのは“下り100Mbps（1秒当たり100メガバイトのデータ受信）”程度のスピードがあれば十分と言われています。

例えばYouTubeの動画も、もっとも画質が良いモード（4K）でも下り40Mbpsあれば快適に視聴できるのです。

そこにきてOCN光の平均速度は、約286Mbps。

全く問題ないレベルと言っていいのですが、今回図にまとめたサービスの中だけでも、1番速いソフトバンク光の約320Mbpsには及びません。

実のところ、先ほどご覧いただいた図表…

これなのですが、料金は「少しでも快適にインターネット通信を行いたい」という場合に限った話になっています。

一体どういうことか？

まずインターネットサービスというものは、“回線という道路”を通じて各世帯にお届けされています。

その道路は沢山の車が走っていて、当然ながら渋滞が発生することも。
言うまでもなく、渋滞すると思うように速度が出せなくて、それはお客様にとって回線速度の低下・接続不良といった形で影響します。

“渋滞のしやすさ”を決定づける要素のひとつが、通信規格。

通信規格とはインターネット通信を行う際に用いられているシステムのひとつで、これは道路の車線数に例えることができます。

従来、通信規格…つまり回線という道の車線数は1つだけだったのですが、混雑を解消するために新しく“IPv6”というものが開発されました。

要は「より快適にインターネット通信を行えるシステム」がある、という話なのですが…

OCN光の場合、IPv6を使うには基本料金とは別途で利用料が発生するのですね。

つまり、先ほどご覧いただいた分布図において、OCN光の料金は「IPv6を使う場合の金額」に準拠して評価しているということ。
より具体的には、基本料金¥3,960＋IPv6利用料金¥1,848＝¥5,808という金額になっています。

裏を返すと、「そこまでインターネット通信の快適さにこだわらないなら、月額¥3,960で済む」のです。

その金額をもとに、改めてマッピングしてみると…

こうなります。

もちろん、通信環境の快適さそのものは損なわれますが、料金は業界トップクラスの安さとなるのです。

これについては、数値をご覧いただくと判りやすいかと。

OCN光の速度

通常プラン	高速プラン
下り平均 223.1Mbps	下り平均 321.8Mbps

先ほど説明した通り、日常的なインターネット通信に必要な速度はおよそ100Mbps程度。

安い方のプランでもそのラインはしっかりと超えているので、そこまでネットを酷使するわけじゃないなら問題ないかと思います。

テレワーク…つまり、1日の大半ネットを使っているような生活環境なら、平均223.1Mbpsというのはちょっと物足りない───というよりは、ストレスを感じるタイミングがある速度かと思います。

そういったお客様は、たとえばソフトバンク光のような比較的に高速な通信回線を選んだ方が良いでしょう。

OCN光マンションタイプの月額料金と初期費用

この点については、シンプルに料金表をご覧いただくのが1番わかりやすいと思います。

OCN光マンションタイプの月額料金 内訳

項目	金額
基本料金	¥3,960
高速プラン利用料	¥1,848
総額	¥5,808

「高速プラン」には、厳密には「IPoEアドバンス」という名前がついています。
これを利用するかしないかで、料金が大きく変わってくるのですね。

つまり、先ほど説明した「そこまでインターネット通信の快適さにこだわらないなら、月額¥3,960で済む」とは、こういうことなのです。

初期費用とはつまり、「お住まいのマンションでOCN光を利用できる状態にするための費用」ですが…

前提として、その内訳は大きく“契約事務手数料”と“工事費”に分れています。

その内、“契約事務手数料”は¥3,300と決まっていて、これを無くすことはできません。

一方で工事費については少しややこしくて、厳密には「人によって¥2,200～¥16,500の間で金額が異なる」のですね。

そもそも、OCN光の工事とはいったいどういうものなのか？という点ですが…

このように、実は3種類の作業が執り行われることになっています。

ポイントは、必ずしも3つ全ての工事が行われるとは限らない、ということ。

考えてみれば当然の話で、すでに設備が完璧に整っているマンションにおいては、システム的な対応以外の作業を執り行う必要はありませんからね。

ちなみに“システム的な対応”というのは、要するに「誰がどこでOCN光を使うのか」を管理する作業のことで、現場で作業を行う類のものではありません。

つまり作業員による施工が発生するものではないのですが、これも業界では工事と称されています。

というわけで、工事費用の方も“どの作業が行われるのか”によって金額が変わってくるのですね。

要は、マンションにどの程度“OCN光を使うための設備”が整っているのかによって、金額が大きく変わるわけです。

まったく設備が整っていない───屋内に専用コンセントや配線すら無い───マンションにお住まいなら、最大で¥16,500もの工事費用が発生するということ。

工事費が¥16,500になるのは、かなり稀な例だと思います。というのも、すでに説明した通りOCN光の設備そのものは“NTTの持ち物”であり、それはすでに全国の99.9%に普及していますから。

もちろん、全部の工事が必要となるマンションも無いわけではありませんが、実際には思ったより費用はかからないということの方が多いでしょう。

まとめ

お住まいのマンションでOCN光が使えるとしても、
最終的には「本当にお得かどうか」で判断してください。

マンションでOCN光が使えるのか？それを決定づけるのは、建物にNTTの設備が整っているかどうかという点です。

導入されていない場合───特に無料Wi-Fiが整備されているマンションなどでは───OCN光の利用は諦めなくてはいけないケースもある、と考えておいてください。

ただし、たとえ“利用できる”としても、本当に契約するかどうかは吟味が必要だと思います。

というのも、OCN光というのは他社サービスと比べて“特別良いわけでも、悪いわけでもない”からです。

速度度外視で料金の安さだけを追求したい。そういった人にはぜひおすすめしたいのですが、そうでなければ「必ずOCN光にしないといけない理由」も無いと思います。

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