楽天のホームルーター「Rakuten Turbo」ってどうなの？通信速度・料金を詳しく解説

01：Rakuten Turboの通信速度

Rakuten Turboの平均の通信速度は下りで82Mbps、上りなら30Mbpsです。

「bps」というのは1秒間に何メガのデータを送受信できるかを表している単位のことで、値が大きいほど大量のデータを短時間でやり取りできるため速度が速いのです。

では、このRakuten Turboの速度は速いのでしょうか？他社のホームルーターと比較してみます。　

ホームルーター名	下り平均速度	上り平均速度
Rakuten Turbo	82Mbps	30Mbps
ドコモ home5G	191Mbps	20Mbps
UQ WiMAX	176Mbps	24Mbps
ソフトバンクAir	101Mbps	9Mbps

参照：みんなのネット回線速度

このように、他社のホームルーターと通信速度を比べてみると、下り（ダウンロード）の速度はRakuten Turboが最も遅くドコモやUQの半分程度の速度しか出ていないことがわかりますね。

一方で上り（アップロード）の速度は最も速いのですが、このくらいの差だと肌感覚としては変わらないと言えます。

上り速度・下り速度とは？

前提としてインターネットは送信と受信を繰り返して通信を行います。

例えば、何かを検索する際は、語句を検索窓に入力しクリックすることでリクエストが“送信”され、検索結果が“受信”されるということですね。

その送信する速度を上り速度（アップロード）といい、受信する速度を下り速度（ダウンロード）と言います。これらの速度が極端に遅いとインターネットを快適に利用することができなくなるのです。

例えば、上り速度が遅いとLINEで動画を送るときになかなか送信が完了しないといった弊害があり、下りが遅いとホームページがなかなか表示されない、動画が途中で止まるといった弊害があります。

では、なぜRakuten Turboは遅いのか、電波のエリアから解説していきます。

Rakuten Turboは“5G”のエリアが狭いから遅い

ホームルーターはスマホと同じように電波をキャッチして通信をおこなうのですが、その電波エリアは各社で異なっています。

Rakuten Turboでは楽天モバイルの回線である「5G」と「4G LTE」の2つの電波を利用しているのですが、速度が比較的速い5Gのエリアが狭いのです。

これは、以下のサービスエリアマップを見るとわかるのですが、5Gが利用できる緑色のエリアは狭く、圧倒的にピンク色の4G LTEのエリアが広いのです。

また、他社のホームルーターと5Gエリアと比べるとかなり狭いことがわかります。

• Rakuten Turbo 対応サービスエリア
• ドコモ home5Gサービスエリア
• UQ WiMAXサービスエリア

つまり、高速通信ができる5G回線が利用できるエリアが狭いため、多くの人が4G LTEを利用していることから平均の通信速度が遅いということですね。

インターネットの一般的な用途で使うには十分な速度

インターネット回線は、30Mbps程度の速度が出ていれば、一般的な用途で利用するには十分と言われています。

用途別に必要な速度の目安を表にしたのでご覧ください。

用途	下り速度目安	上り速度目安
SNS・メール	1Mbps	1～3Mbps
WEB閲覧	1～10Mbps	1～10Mbps
動画視聴	3～30Mbps	1Mbps
WEB会議	10～30Mbps	10～30Mbps
オンラインゲーム	30～100Mbps	30Mbps 以上

一般的によく利用される用途（SNS・WEB閲覧・動画視聴）では必要な下り速度は30Mbpsくらいなので、平均80MbpsのRakuten Turboでも問題なく利用できるのです。

ただし、Rakuten Turboの平均“上り”速度は30Ｍbps程度なので、WEB会議やオンラインゲームでは速度がカツカツであまり向いていないと言えます。

WEB会議やオンラインゲーム（特にアクションが激しいゲーム）では、上り下りの双方向の通信速度を必要とするので、上り速度が遅いRakuten Turboは向いていません。

この“上りの速度が遅い”のはホームルーターの性質として仕方ないので、もしWEB会議やオンラインゲームをメインで使うのであれば安定して速度が速い“光回線”を利用した方が快適です。

また、家族など複数の人で同時に利用する場合は、速度を分け合うためネットが重くなるといった事も起こるので、家族で利用するにはRakuten Turboはあまり向いていないと言えます。

＜関連記事＞
ホームルーターは遅い｜上り速度がたったの17Mbps！何が問題かわかりやすく解説

02：Rakuten Turboの料金

Rakuten Turboの料金は、初回に請求される「契約事務手数料」、毎月の「月額料金」、Rakuten Turboの「機器代金」の3つがあります。

契約事務手数料は3,300円で、契約時に1度だけかかる料金です。

月額料金に関しては4,840円ですが、後ほど説明するキャンペーンが適用されるため期間限定でお安く利用することが可能です。

月額料金は他社より比較的安価

Rakuten Turboの月額料金は、他社ホームルーターと比較しても安いのが特徴です。

ホームルーター名	月額料金
Rakuten Turbo	4,840円
ドコモ home5G	4,950円
UQ WiMAX	4,950円
ソフトバンクAir	5,368円

“安い”とはいっても、ドコモ・UQと比べても110円の差なので、破格に安いわけではないので同水準という枠は出ないですね。

続いて、Rakuten Turboはホームルーター本体の「機器代金」がかかるので、その費用について解説します。

＜関連記事＞
インターネット料金の相場を光回線・モバイルWi-Fi・ホームルーターごとに解説｜安く利用する方法も紹介

ホームルーター端末は有料で価格は高い！

Rakuten Turboを利用するために必要な「Rakuten Turbo 5G」というホームルーターは、レンタルがないので購入しなければならないのです。

価格は41,580円で、一括払いの他、24回・48回の分割払いで購入することができます。

支払い方法	支払額	毎月の支払い額 （月額料金＋分割払い額）
一括払い	41,580円	4,840円
24回払い	初回1,744円＋1,732円×23回	6,572円
48回払い	初回878円＋866円×47回	5,706円

上記の表を見るとわかりますが、分割払いにすると毎月の支払額がかなり高くなります。

他社のホームルーターであれば、機器代は“実質無料の特典”や“割引特典”でお得に始めることができるのですが、Rakuten Turboにはそれがありません。

そのため、月額料金は安くても支払額は高くなってしまうので、Rakuten Turboはお得とは言えないですね。

ただし、それはRakuten Turboの特典を利用しなかった場合の話。次に紹介する“特典”を利用すればお得に始めることができるのです。

03：Rakuten Turboの特典

Rakuten Turboの特典は大きく分けて2つあります。

常に行っているのが、Rakuten Turboの新規申し込みで1,000ポイントがプレゼントされる特典と、楽天市場などの楽天サービスを利用した時に付与されるポイントが＋2倍アップする特典です。

楽天ポイントとは？

楽天ポイントとは、“楽天市場”でのショッピングや“楽天カード”での支払いなど、楽天サービスを利用することで100円（税抜）あたり1ポイントが獲得できるサービスです。

楽天ではこのポイント倍率を増やすSPU（スーパーポイントアッププログラム）を行っており、楽天のサービスを使うほど倍率がプラスされ、ポイントが貯まりやすくなるのです。

楽天会員であればポイント倍率は1倍ですが、Rakuten Turboを使うことで＋2倍になり、合計でポイント倍率は3倍になるということです。

対象サービス	ポイント倍率
楽天会員	1倍
Rakuten Turboの利用	＋2倍
合計	3倍

ただし、Rakuten Turboで付与されるポイントには使用期限があり、ポイントが付いた月の翌月末日までに使用する必要があるのです。

また、このポイントには月間1,000ポイントまでという上限が決められていて、月間で55,000円を利用しないと上限まで届かないので、楽天のサービスをあまり使わない人にはメリットは少ないですね。

楽天ポイントはこちらのシミュレーターからどのぐらい付与されるのか確認ができるので、利用している楽天サービスと金額を入力してみてください。

以上が、Rakuten Turboで常に行っている特典ですが、目を引くのは期間限定特典の方なので詳しく解説します。

Rakuten Turboの期間限定キャンペーンはお得！

2024年5月時点で行っているのは以下の3つのキャンペーンで、現状ではキャンペーンの終了日は「未定」となっています。

①Rakuten Turbo 月額プラン料金6カ月間無料キャンペーン

Rakuten Turboと機器を同時申し込みした楽天会員の人が対象で、６か月分の月額料金が0円になるキャンペーンです。

割引額は総額29,040円にもなるので、お得に利用開始することが可能です。

②Rakuten Turbo＆楽天モバイルご利用で20,000ポイントプレゼントキャンペーン

この特典では、Rakuten Turboと“楽天モバイル”をセットで利用することで、20,000ポイントがプレゼントされます。ポイントは、Rakuten Turboの課金が開始された翌々月末ごろに進呈されます。

この特典を利用するには、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン・Rakuten最強プラン（データタイプ）」を利用している（または課金開始までに利用する）必要があります。

付与される楽天ポイントの有効期間は、ポイント付与日を含めて6カ月です。

③Rakuten Turboお申し込みと楽天市場で対象ジャンルの商品購入（1円以上）で20,000ポイント還元​キャンペーン

こちらの特典も②と同じ20,000ポイント付与ですが、違いは楽天モバイルを利用していない人向けの内容になっています。

適用条件は、Rakuten Turboを申し込みした月の末日までに「キャンペーンにエントリー」し、かつ「楽天市場で対象ジャンルの商品1円以上を購入」しなければいけないというもの。

ポイントが進呈される日程や有効期限は②の特典と同じですが、エントリー＋商品の購入が必要なので注意しましょう。

②と③のキャンペーンは併用できないので、楽天モバイルを使っている人は②、使っていない場合は③のキャンペーンを利用するということになります。

これらのキャンペーンを利用すると、Rakuten Turboのネックになっている機器代金を実質的に無料にすることができるのです。

Rakuten Turbo 5G 機器代金	41,580円
①6カ月間無料キャンペーン	－29,040円
②③20,000ポイントプレゼント	－20,000円
合計	－7,460円

このように、月額料金の割引と付与されるポイントを合算すると、機器代を負担したところでそれ以上に得をするという事ですね。

つまり、Rakuten Turboの機器代が高額という問題は、現状のキャンペーン内容であれば問題にならないということです。

ただし、キャンペーンの内容は変わるので利用を検討している方は、申し込み前に内容をしっかりと確認しましょう。

ここまで、Rakuten Turboの速度・料金・特典に着目して解説してきましたが、最後にRakuten Turboが向いている人はどんな人か結論付けたいと思います。

Rakuten Turboが向いている人・向いていない人

Rakuten Turboは、インターネットの品質としてはホームルーターの中では最も劣っているため、それを許容できる人（ネットサーフィンや動画視聴ぐらいしかしない人）が前提ですが…

料金的に最もメリットがあり向いていると言えるのは“楽天モバイルユーザー”だけです。

というのは、利用しているスマホが“ドコモ・au・ソフトバンク”であれば、それらに対応したホームルーターを利用することでセット割引が受けられ、そちらを利用した方が月額料金の面で安く利用できるほか、Rakuten Turboより快適に利用ができるからです。

スマホキャリア	セット割引対象ホームルーター
ドコモ	ドコモ home5G
au UQモバイル	UQ WiMAX
ソフトバンク ワイモバイル	ソフトバンクAIR

このスマホのセット割引では、スマホ1台につき毎月最大1,100円がスマホの料金から割引されるというもの。

家族で同じキャリアのスマホを使っているという場合は、割引額も大きくなるので楽天のポイント還元よりも断然お得になるのです。

つまり、Rakuten Turboが向いていない人は、上記のような“楽天モバイル”以外のスマホを使っているユーザーということですね。

まとめ

Rakuten Turboは楽天モバイルユーザーならお得！
ただし、性能的には他社のホームルーターがおすすめ

Rakuten Turboは月額料金的にはホームルーターとしては安い部類であるものの、機器代がネックになっているサービスです。

ただし、現在の“期間限定キャンペーン”を利用することで、実質的には機器代を無料にすることができます。

また、楽天モバイルを利用しているのであれば、他社のホームルーターを利用してもセット割引のような料金的メリットはないので、Rakuten Turbo一択で問題ないかと思います。

とはいえ、通信速度に関しては他社のホームルーターには及ばないので、少しでも快適にインターネットが使いたいのであれば選ぶべきではないサービスと言えます。

速度を重視するなら楽天モバイルユーザーであっても、他社のホームルーターや“楽天ひかり”のような光回線の導入をご検討ください。