ソフトバンク光とフレッツ光どっちがおすすめ？違いを料金と速度を比較して解説

ソフトバンク光とフレッツ光 一番大きな違いは“料金”

前提として、ソフトバンク光はフレッツ光の回線とプロバイダ「Yahoo!BB」をセットにした“光コラボレーション（光コラボ）”のサービスです。

つまり、ソフトンバンク光もフレッツ光も利用している回線は同じフレッツ光なので、本質的な通信品質はあまり変わらないと言えるのですが、料金面は大きく異なります。

では、料金のどこが違うのかというと、以下の3つが挙げられます。

	ソフトバンク光	フレッツ光
①初期費用	工事費：実質無料	工事費：22,000円
②月額料金	回線・プロバイダ 一体型	回線料金 ＋ プロバイダ料
③スマホセット割引	ソフトバンク ワイモバイル	なし

これら3つの違いを総合して考えると…ソフトバンク光の方が、圧倒的に料金メリットがあるのでそれぞれ詳しく解説しますね。

①初期費用：工事費無料特典の有無が異なる

インターネット回線を契約した時に最初にかかる費用の事を「初期費用」と言い、「契約料（契約事務手数料）」と「初期工事費」の２つがかかります。

	ソフトバンク光	フレッツ光
契約料	3,300円	880円
初期工事費	31,680円 →実質無料	22,000円
初期費用	3,300円	22,880円

契約料は最初に1度だけ支払う手数料のことで、フレッツ光の方が安く設定されています。

工事費用に関しては、ソフトバンク光は31,680円と高額ですが、加入特典で実質無料になります。

ソフトバンク光の工事費は24カ月の分割払いになるのですが、この加入特典で毎月同額の割引が発生します。

つまり、24カ月（2年間）継続利用すると、工事費全額分が相殺され実質的に無料になるという仕組みなのです。

一方で、フレッツ光の工事費は分割払いにはできるものの“有料”なので、毎月の月額料金に工事費が加算されます。

このように初期費用は、加入特典が用意されているソフトバンク光の方が安いということができますね。

②月額料金：プロバイダセットの有無が異なる

プロバイダとはインターネットに接続するための窓口のようなもの。

皆さんがいつも利用しているスマホもプロバイダを介してネットに繋がっているのですが、スマホの場合はプロバイダが回線の契約に含まれているのであまり意識しないですよね。

ソフトバンク光もスマホと同じくプロバイダが自動で契約されるのですが、フレッツ光の場合はこのプロバイダが別契約になります。

そのため、フレッツ光ではプロバイダを自由に選んで契約できるというメリットはあるものの、プロバイダの月額料金は別途かかってくるのです。

つまり、光回線とプロバイダが1つにまとまっているソフトバンク光よりも、支払先がNTTとプロバイダに分かれているフレッツ光は比較的高くなるのです。

以下に、プロバイダ料金を含めたNTT東日本・西日本の月額料金をソフトバンク光と比較しましたのでご覧ください。

一戸建てタイプの月額料金比較

戸建てタイプ	ソフト バンク光	NTT東日本 フレッツ光※1	NTT西日本 フレッツ光※2
月額料金	5,720円	5,940円	4,730円 光はじめ割 ネクスト適用時
プロバイダ 料金	月額に込み	Yahoo!BB 1,320円	Yahoo!BB 1,320円
月額料金合計	5,720円	7,260円	6,050円

※1 フレッツ光ネクストファミリー・ギガラインタイプ
※2 ファミリー・スーパー ハイスピードタイプ 隼

今回の比較では、プロバイダをソフトバンク光と揃えて「Yahoo!BB」の料金で比較していますが、NTT東西ともにソフトバンク光より高くなることがわかりますね。

特に東日本は、西日本の様な割引サービスもないので、かなり高くなってしまいます。

続いて、集合住宅向けのマンションタイプの月額料金をご覧ください。

マンションタイプの月額料金比較

マンション タイプ	ソフト バンク光	NTT東日本 フレッツ光※1	NTT西日本 フレッツ光※2
月額料金	4,180円	3,355円	3,135円 光はじめ割 ネクスト適用時
プロバイダ 料金	月額に込み	Yahoo!BB 1,045円	Yahoo!BB 1,045円
月額料金合計	4,180円	4,400円	4,180円

※1 フレッツ光ネクストマンション・ギガラインタイプ
※2 マンション・スーパー ハイスピードタイプ 隼

マンションタイプは、全体的に価格差は大きくないですが、ソフトバンク光とNTT西日本フレッツ光は同額、東日本はやや高くなっています。

いくら月額料金は同じ額だからといってフレッツ光はおすすめしません。

というのは、契約先が増えることで手続きや問い合わせなどの窓口も2か所になるからです。

このように、プロバイダが別になっていると手間も２倍になるのですね。

そういった理由で、わざわざプロバイダの契約にひと手間かかるフレッツ光を選ぶメリットはないのです。

また、西日本の割引「光はじめ割」も安くなるのは最初の2年間だけなので、長期利用するのであれば、請求や問い合わせ先も1つにまとまっているソフトバンク光が最適です。

③料金割引：スマホセット割引の有無が異なる

スマホのセット割は、以下の3点をセットで利用することを条件に、スマホ側の料金が割引されるサービスです。

セット割引は、ソフトバンクだけでなく、ソフトバンク系列の格安スマホ「ワイモバイル」も対象になり以下の料金が利用している限り永年割引されます。

対象スマホ	ソフトバンク光	フレッツ光
ソフトバンクスマホ 1回線あたり	おうち割光セット 最大1,100円/月割引	割引なし
ワイモバイルスマホ 1回線あたり	おうち割光セット（A） 最大1,650円/月割引	割引なし

この割引では、スマホ1回線あたり別々に割引が発生するため、家族でソフトバンクを使っている場合など毎月の割引額も大きくなるのが特徴です。

例えば、家族でソフトバンクスマホを3回線利用しているなら、毎月3,300円の割引、年間で39,600円もスマホ代を削減することができるということです。

フレッツ光にはこういった、スマホと連携したサービスが存在しないため、ソフトバンクスマホのユーザーであればソフトバンク光がおすすめです。

オプションパックは、ソフトバンク光を快適に利用するための3つのオプションが、月額550円のパックになっていて、単品で契約するより割安で利用することができます。

オプション名	月額料金	概要
光BBユニット レンタル	513円	複数台の端末を有線接続 するためのルーター
Wi-Fiマルチパック	1,089円	光BBユニットにWi-Fi機能を 追加するオプション
BBフォン or ホワイト光電話 or 光電話（N）	0円 513円 550円	光回線を利用した固定電話
合計	最大¥2,152 ⇒¥550	おうち割光セット加入で 3つ合わせて¥550

パックの内容としては「光BBユニット」とWi-Fiを飛ばすためのオプション「Wi-Fiマルチパック」は快適に利用するために必須級のオプションです。また、固定電話のオプションは3つから選ぶことが可能です。

これらはまとめて月額550円かかりますが、セット割引ではスマホ1台でも最大1,100円割引されるので差し引き550円の得になります。

というわけで、固定電話は使わない…といった方でも「おうち割光セット」の利用でスマホ代を安くするっことができるので加入をおすすめします。

“通信速度”もソフトバンク光の方が速い

ソフトバンク光とフレッツ光、どちらも土台はフレッツ光回線を使っているので通信速度は同じ程度ですが…

実際にはソフトバンク光の方が速いので、平均速度の比較表をご覧ください。

	ソフトバンク光	フレッツ光
下り平均速度	389Mbps	293Mbps
上り平均速度	364Mbps	229Mbps

※参照：みんなのネット回線速度

インターネット速度の単位「bps」とは1秒間に送受信できるデータ量を表したもので、数値が高い方が短時間でより多くのデータを送受信できることから速いとされています。

この速度の平均を比べるとソフトバンク光の方が下りも上りも100Mbps程度速いのがわかります。

この違いは何なのかというと、フレッツ光よりソフトバンク光の方が「IPv6」という高速通信ができる通信規格を利用しやすい環境にあるからです。

IPv6を利用するには“光BBユニット”が必要

通信規格とは、例えるなら道路の車線のようなもの。

インターネットの利用者が増え、従来の通信規格（IPv4）では混雑から常に渋滞が起こっていたので、新しくIPv6（アイピーブイシックス）という通信規格が開発されました。
　

このIPv6では車線数が増えて渋滞が起こりにくくなったため、通信速度が改善されるのです。

では、実際にどのくらい速度に差が出るのか、以下の比較表をご覧ください。

	ソフトバンク光 下り平均速度
従来の通信規格 IPv4	207Mbps
新しい通信規格 IPv6	400Mbps

※参照：みんなのネット回線速度

このように、ソフトバンク光ではIPv6の方が倍くらいの平均速度が出ているのです。

もちろんIPv6はソフトバンク光だけでしか利用できないというわけではありません。

フレッツ光でも、IPv6に対応したプロバイダを利用しているなら、IPv6対応ルーターを購入し「フレッツ・v6オプション」を申し込むことで利用可能です。

とはいえ、フレッツ光の場合は、このような手間と費用がかかるのですが…

ソフトバンク光ではスマホセット割引に必須な「光BBユニット」を利用するだけでIPv6が使えるのです。

つまり、ソフトバンク光はより簡単にIPv6の環境を整えることができるから、フレッツ光よりも平均速度が速いということなのですね。

【結論】使うならフレッツ光より“ソフトバンク光”

ここまで、ソフトバンク光とフレッツ光の料金・通信速度に着目して比較してきました。

結論、ソフトバンク光の方がダンゼンお得です。

特に、ソフトバンク光は工事費がかからない事と、プロバイダの料金がコミになっているためフレッツ光より安上がりなのです。

インターネット回線は、一般的に長期間継続して利用していくものなので、3年間利用時の総額を比較しましたのでご覧ください。

戸建てタイプ（3年間利用時の総額）

戸建て タイプ	ソフト バンク光	NTT東日本 フレッツ光※1	NTT西日本 フレッツ光※2
初期費用	3,300円	22,880円	22,880円
月額料金 1年目総額	68,640円	87,120円	72,600円
月額料金 2年目総額	68,640円	87,120円	72,600円
月額料金 3年目総額	68,640円	87,120円	87,120円
3年間総額	209,220円	284,240円	255,200円

※1 フレッツ光ネクストファミリー・ギガラインタイプ
※2 ファミリー・スーパー ハイスピードタイプ 隼
※プロバイダ：Yahoo!BBの場合

戸建てタイプを3年間利用した場合の総費用を比較すると、東日本で約75,000円、西日本では約46,000円もフレッツ光の方が高くなります。

特に3年目以降は月額料金だけでも年間2万円ほどフレッツ光の方が高いので、フレッツ光は長期利用にも向いていないと言えますね。

マンションタイプ（3年間利用時の総額）

マンション タイプ	ソフト バンク光	NTT東日本 フレッツ光※1	NTT西日本 フレッツ光※2
初期費用	3,300円	22,880円	22,880円
月額料金 1年目総額	50,160円	52,800円	50,160円
月額料金 2年目総額	50,160円	52,800円	50,160円
月額料金 3年目総額	50,160円	52,800円	54,780円
3年間総額	153,780円	181,280円	177,980円

※1 フレッツ光ネクストマンション・ギガラインタイプ
※2 マンション・スーパー ハイスピードタイプ 隼
※プロバイダ：Yahoo!BBの場合

マンションタイプの3年間の総費用を見ると、戸建てほど差はないですが25,000円程度ソフトバンク光が安いですね。

年間の月額料金の総額としては、差額は数千円です。ただし、ソフトバンク光であればスマホのセット割引が利用できるので、更に安く利用することができます。

このように、ソフトバンク光であれば長期の利用でも安く、通信速度も快適なので、フレッツ光を選ぶメリットはないということです。

ただし、料金面よりも特定の目的を重視する場合は、フレッツ光の方が良いケースもあります。

フレッツ光はプロバイダにこだわる人向け

料金的に見るとソフトバンクの方が圧倒的におすすめですが、以下のような人であればフレッツ光の利用が向いています。

ソフトバンク光では、プロバイダはYahoo!BBだけしか利用できませんが、フレッツ光は自由に選べるのがポイント。

別料金になるので費用的には高くなりますが、上記の様な事情がある人ならフレッツ光がおすすめです。

また、インターネット無料マンションによくある、フレッツ光の“全戸型マンション”ではフレッツ光の回線料が家賃に組み込まれているため、自身でプロバイダを契約するだけでネットが利用できます。

プロバイダは月額1,000円前後なので、料金的にもお得です。そういったマンションにお住いならフレッツ光を利用するのがおすすめですね。

フレッツ光利用者なら「転用」で簡単に乗り換え可能

ソフトバンク光はフレッツ光回線を使った「光コラボ」のサービスであるため、フレッツ光からは“工事なし”で乗り換えが可能です。

ただし、工事なしで乗り換えるには「転用」という手続きを取った場合のみ。

「転用」というと聞きなれない言葉ですが、手続き自体は難しくないので手順を解説しますね。

転用の手続きでは、「転用承諾番号」という、契約を切り替えるための“管理番号”を取得してから、ソフトバンク光に申し込む流れになります。

転用は約2週間で完了し、工事も不要、NTTからレンタルしている機器もそのまま使えるので、手間なく簡単に乗り換えができるのです。

転用については以下の関連記事で詳しく解説しているので、転用を予定している方はぜひ目を通してください。

10ギガプランもソフトバンク光がおすすめ

最大1ギガの光回線の上位プランとして、両社ともにソフトバンク光10ギガ、フレッツ光クロスという10ギガプランのサービスを提供しています。

これらは通信品質も良いため1ギガプランよりも料金が高いのですが、割引特典があるため期間限定でお得に利用できます。

ここでも、ソフトバンク光10ギガとフレッツ光クロスの料金を、2年間使った場合の総額で比較しましたのでご覧ください。

	ソフト バンク光 10ギガ	NTT東日本 フレッツ光 クロス	NTT西日本 フレッツ光 クロス
初期費用 契約料＋工事費	3,300円	22,880円	22,880円
月額料金 ※1	6,930円 ＜特典＞ 6ヵ月間500円	6,600円 ＜特典＞ クロス月額割 1年間 5,830円	7,480円 ＜特典＞ 光はじめ割 クロス 2年間 4,730円
プロバイダ 料金	月額に込み	1,265円 ＜特典＞ 初月無料＋ 12カ月間550円	1,265円 ＜特典＞ 初月無料＋ 12カ月間550円
2年間総額	131,040円	166,485円	140,085円

※1 10ギガ対応ルーターレンタル料：550円/月込み
※フレッツ光クロス：プロバイダ OCN光withフレッツ
※2024年11月時点のキャンペーンを元に試算

ソフトバンク光10ギガでは、1ギガプランと同様に工事費は実質無料。それに加えて「6か月間 月額500円」という破格のキャンペーンを行っています。

一方、フレッツ光クロスも東西ともに月額料金割引を行っているものの、工事費が有料であり、かつプロバイダの料金が高いので総額としてはソフトバンク光の方が安く利用できるのです。

また、ソフトバンク光10ギガプランでも“スマホのセット割引”が利用できるため、10ギガ回線を検討しているならソフトバンク光10ギガがおすすめです。

今回は、ソフトバンク光とフレッツ光、どちらを利用すべきか？という疑問に対し、料金と通信速度を比較して解説してきました。

以下の比較項目を見てわかるように、フレッツ光を利用するメリットはほとんどないのが現状です。

というのは、NTTが光コラボの提供を始めてから、個人向けのフレッツ光サービスには力を入れておらず、法人向けのサービスに特化していったからです。

そのため、フレッツ光やプロバイダに余程こだわりがない限りは、ソフトバンク光を利用するのがおすすめです。