「ソフトバンク光」と「ソフトバンクAir」どっちを選んだらいい？違いを徹底比較して解説

ソフトバンク光とソフトバンクAirの一番の違いは“回線”

冒頭でもお話ししましたが、ソフトバンク光とソフトバンクAirの違いは、根本的な回線が「光」か「モバイル」ということです。

ざっくりとこの違いを説明すると…

光回線は物理的な光ケーブルを用いるため、導入時には工事が必要。そして、その工事を行うためには工事業者の予約が必要となり利用開始（開通）まで時間がかかるのです。

一方、モバイル回線であれば、スマホと同じように「SIMカード」を使い電波を受信してネットを行うため、特別な工事はなくソフトバンクAirの端末が自宅に届けばすぐに利用できるという違いがあります。

	ソフトバンク光	ソフバンクAir
回線	光回線	モバイル回線
導入工事	必要	不要
利用開始まで	一戸建て：1カ月程度 集合住宅：2週間程度	2日～7日程度

つまり、使っている回線が違うから、利用開始までの期間が大きく異なりソフトバンクAirの方が短期間で利用開始ができるということです。

ただし、回線が違う事で快適にインターネットをするために重要な“通信速度”も大きく異なるのです。

通信速度の比較：ソフトバンク光の方がダントツに速い

インターネット速度を表す数値として「bps」と言う単位を用いるのですが、これは1秒間にどれだけの量のデータを送受信できるのかという数値で、下り（ダウンロード）速度と上り（アップロード）速度の2つがあります。

下り・上り速度とは？

下り（ダウンロード）速度とは…データを受信する際の速度のこと。ダウンロード速度が遅いとホームページがなかなか表示されなかったり、アプリをインストールする際の待ち時間が長くなったりします。

上り（アップロード）速度とは…データを送信する際の速度のこと。アップロード速度が遅いと、SNSに投稿した投稿がなかなか反映されなかったり、LINEで動画を送る時に“送信完了”まで時間がかかったりします。

この2つの速度は回線ごとに理論上出すことができる“最大速度”があり、ソフトバンク光・ソフトバンクAirも以下の速度が最大値なのです。

	ソフトバンク光	ソフトバンクAir
下り最大速度	1Gbps	2.1Gbps
上り最大速度	1Gbps	非公開

ソフトバンク光は1ギガbpsに対し、Airは倍の2.1ギガbpsです。

これだけを見ると「ソフトバンクAirの方が、スペックが高いじゃん？」と思うかもしれませんが、これはあくまで最大値。実際に出る速度とは異なるのです。

前提として、ほとんどのインターネット回線は最大速度の数値で通信をするということはありません。それは「ベストエフォート型」のサービスだからです。

ベストエフォートというのは「最大限に努力するけど、最大速度まで出るかわからないよ」といった意味なので、どれだけ速度が出るかは使ってみないとわからないのです。

そのため、実際の速度の目安が知りたい場合、多くの利用者が使ってみて速度を計測した「平均速度」を参考にするしかなく、それが以下の表なのでご覧ください。

	ソフトバンク光	ソフトバンクAir
下り平均速度	305Mbps	101Mbps
上り平均速度	349Mbps	９Mbps

※みんなのネット回線速度

このように、ソフトバンク光は最大1Gbps（＝1,000Mbps）のサービスですが、実際の速度は上下ともに300Mbps超。

この速度が速いのかどうかというと、最大1ギガのサービスであれば“十分に速い”レベルと言えますね。

それに対し、ソフトバンクAirは最大2.1Gbps（＝2,100Mbps）なのに、下りの実測値は100Mbps程度。上りに至っては10M程度しか出ていないのです。

下り速度に関しては“まぁまぁ”といったレベルですが、上りが遅いのでインターネットの用途によっては満足に利用できない場合があります。

インターネット回線は、下り30Mbps、上り10Mbps程度の速度が出ていれば、一般的な用途（ネットサーフィンやSNS、動画視聴など）であれば問題なく利用できるのですが…

複数人数で行うWEB会議や、オンラインゲームなど、リアルタイムに多くのデータの送受信が必要な用途では、上り速度が遅いと遅延（ラグ）が発生し画面がカクついたり音声が切れたりするがことがあります。

そのため、速い回線速度を必要とする用途をメインで利用するという人には、ソフトバンクAirは向いていないので“ソフトバンク光”の方を利用した方がいいと言えますね。

ただし、上り速度が遅いのはモバイル回線を使っているホームルーター全体の特徴です。詳しくは関連記事で解説します。

＜関連記事＞
ホームルーターは遅い｜上り速度がたったの17Mbps！何が問題かわかりやすく解説

では、下り速度の方はどうでしょうか？

ソフトバンクAir方が下り速度のスペックは倍ほど高いのに、実際に利用した場合の速度はソフトバンク光には及ばない…その理由は何なのかと言うと、その原因はソフトバンクAirの“電波エリア”にあるのです。

ソフトバンクAirは5Gの高速回線が利用できるエリアが狭い

「光回線」は、物理的に光ケーブルで繋がっているため通信の安定性が高く速度も速いのですが、「モバイル回線」は使っている場所の電波によって速度が大きく異なるのです。

ソフトバンクAirは、ソフトバンクが提供するスマホと同じエリアの電波を利用して通信をしていて、5G回線が使える地域であれば速度は出るのですが、4G回線のエリアでは速度が遅いのです。

地域ごとの電波の提供状況は下記のサービスエリアマップで確認することができます。

ソフトバンクAir サービスエリアマップ

サービスエリアマップの中で重要なのは、濃いピンク色の「SoftBank 5G<3.7GHz>」が利用できるエリア。

お住いの地域が“濃いピンク”以外の薄いピンクや黄色の場合はハッキリ言って速度は期待できません。

エリアマップを見るとわかるのですが、ソフトバンクAirは薄いピンクや黄色のエリアが多く、東京・大阪・名古屋のような大都市でも濃いピンクの5Gエリアは狭いですね。そのため平均速度も遅くなっているのです。

一方で、光回線を使っているソフトバンク光のエリアは「日本全国」です。

マンションやアパートなどの建物状況によっては利用できない場合もありますが、ほとんどの地域で最大1Gbpsの光回線が利用できるため、平均速度も速いのですね。

まとめると、通信速度を重視するなら…ソフトバンク光が最適ということです。

続いて、料金面から両サービスを比較していきますね。

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料金の比較：特典でソフトバンクAirの方が安い

ソフトバンク光は、導入する住居のタイプによって月額料金は2パターンあり、集合住宅タイプと一戸建てタイプに分かれます。

ソフトバンクAirの方はタイプによって分かれていないため料金プランは１つなのですが、2024年6月現在「みんなおトク割」という期間限定の特典が利用できます。

それぞれの月額料金を表にしたのでご覧ください。

	ソフトバンク光	ソフトバンクAir
月額料金	一戸建て：5,720円 集合住宅：4,180円	5,368円 →2,970円（2年間）

特典なしで考えると、Airと比べても集合住宅向けが最も安く1,000円以上安いですね。逆に一戸建て向けはAirより350円ほど高いです。

ソフトバンクAirは通常の価格としては5,000円を超えるので安いとは言えないですが、2年間は特典の割引があるため安く使うことができるのです。

ソフトバンク光の戸建て向けタイプは、電柱から引っ張ってきた1本の光回線を1つの建物に占有して引き込むという工事を行うので、1世帯で独占して使えることから料金は高くなるのです。

これが集合住宅になると、1本の光回線を引き込むのは同じなのですが、建物内で分岐させて住人同士でシェアして利用するのです。そのため1人当たりの負担は軽くなることから月額料金が安いのですね。

ソフトバンク光・Airでは月額料金の他にも、最初に「契約事務手数料」と「工事費」または「ホームルーター機器代金」といった初期費用がかかるのです。

開通工事費・Airターミナル代金は実質無料

ソフトバンク光・ソフトバンクAirを始める際にかかる費用を「初期費用」と言いますが、ともに最初に一度だけ契約事務手数料3,300円がかかります。

他には、ソフトバンク光ならば「工事費」、ソフトバンクAirなら専用のホームルーターである“Airターミナル5”の「機器代金」がかかるのです。

この費用は、一括払いもしくは分割払いにて支払う事になるのですが、どちらも“実質無料”になる割引特典があるので詳しく解説します。

工事費	ソフトバンク光	ソフトバンクAir
一括払い	31,680円	71,280円
分割払い	1,320円×24回	1,980円×36回
割引特典	1,320円割引×24回	1,980円割引×36回

この割引特典は、分割払いの回数と同額が毎月割引されるため、差し引きゼロ円になるというもの。

ただし、分割払いの途中でサービスを解約してしまうと、割引も終了になり未払い分の残額が請求されてしまうのです。

ソフトンバンク光の方は支払期間が2年間かつ支払額もAirより安いため、途中解約しても比較的安く済むのですが、Airターミナル5は非常に高額であるため、途中で解約すると残債がだいぶ高くなりますね。

例えば、ソフトバンクAirを2年間で解約すると…1,980円×残月12ヵ月＝23,760円 にもなるのです。

そう考えると、Airは特典で2年間は安く使えるものの、2年で解約すると上記の料金請求が発生するので3年は使わないと損してしまうサービスと言えます。

最後に、ソフトバンクのスマホを利用している人であれば誰でも対象になる「セット割引」について比較してみます。

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ソフトバンクAirの料金って高いの？2年間2,970円だからホームルーターとして最安級！

スマホのセット割引の比較：ソフトバンク光はオプション必須

ソフトバンクのスマホや、ワイモバイルのスマホをソフトバンク光・Airとセットで利用することで、スマホ側の料金が割引になるサービスを「おうち割 光セット」といいます。

この割引ではセットで利用しているソフトバンクスマホ1回線あたり毎月最大1,100円が割引されるのですが、適用条件がソフトバンク光とAirでは少し異なります。

	ソフトバンク光	ソフトバンクAir
適用条件	・対象スマホのセット利用 ・オプションパック（月額550円）の加入	・対象スマホのセット利用

ソフトバンクAirでは、対象のソフトバンク／ワイモバイルスマホのセット利用という条件だけなのですが、ソフトバンク光の方はオプションパック（月額550円）の加入が必要になります。

オプションパックというのは、以下のオプション3つがパック料金になってお得に利用できるサービスです。

オプション名	月額料金	概要
光BBユニットレンタル	513円	IPv6という高速通信が利用できる専用ルーター
Wi-Fiマルチパック	1,089円	光BBユニットにWi-Fi機能を追加するオプション
電話サービス（いずれか1つ） 　・ホワイト光電話 　・ひかり電話（N） 　・BBフォン）	・513円 ・409円 ・0円	光回線を利用した固定電話サービス
合計	1,602円～ ⇒550円	オプションパックなら3つ合わせて 月額1,000円以上もお得！

オプションパックは月額550円かかりますが、どのオプションも快適にソフトバンク光を利用するには必須級で、最大1,100円割引されることを考えればマイナスにはならないので加入をおすすめします。

「おうち割 光セット」はソフトバンク光やAirを利用するうえで、大きな割引となるのでソフトバンクのスマホを使っているのであれば必ず利用しましょう。

ただし、ソフトバンクの格安スマホ「LINEMO」は割引対象外なのでご注意ください。

どっちか迷ったらソフトバンク光がおすすめ

ソフトバンクAirのメリットはとにかく手軽にWi-Fiが利用できて、割引特典で月額料金が安いことですが、インターネットをするうえで一番ストレスになる“通信速度が遅い”のが最大のデメリットです。

しかも、5Gのエリア内であっても、Airを利用する場所によっては4Ｇ回線になってしまうという事もあり得るのです。

そのため、インターネット回線の工事ができる状況であれば、通信速度が速くて安定したインターネットが使えるソフトバンク光の方がおすすめということです。

インターネット回線の工事とは言っても、お客様の立ち合いは必要になるものの工事の時間は約1時間～2時間程度で終わる事がほとんどなので、それほど大きな負担にはなりません。

また、工事までの期間はソフトバンクがモバイル機器（ソフトバンクAirやポケットWi-Fi）を無料でレンタルしてくれる「開通前レンタル」というサービスが利用できるのです。

つまり、ソフトバンク光であっても申し込みから開通までの間はモバイルがあるので、Wi-Fiがなくて困るという事は無いのですね。

ソフトバンクAirの最大の特徴は“モバイル回線である事”です。

電柱が近くにないなど物理的に工事ができない住宅や、勝手に光回線を引くことができないマンションやアパートの場合はソフトバンクAirが最適解となります。

また、頻繁に引越をするからイチイチ工事が面倒といった人にも、ソフトバンクAirがピッタリですね。

他にも、ソフトバンクAirにはAirターミナルをレンタルするプランもあるので数か月の超短期で利用したいという人にもおすすめです。

レンタルプランでは、Airターミナル4という“4G回線”しか利用できない機器が貸与されるため速度は望めませんが、短期解約でも違約金や機器代などもかからないので使いようによっては便利なのです。（月額：5,907円・みんなおトク割適用不可）

このように特段の理由がなければ「ソフトバンク光」を選ぶのが最適で、どうしても工事ができないといった場合に「ソフトバンクAir」をご利用ください。

まとめ

ソフトバンクAirはお手軽だけどおすすめはできない！
快適に使いうならソフトバンク光一択でOK！

今回は、ソフトバンク光とソフトバンクAir、どっちを選ぶのが最適なのかということに着目して解説してきましたが…

快適なインターネット環境を整えるという観点から言えば、ソフトバンク光一択です。

確かに、ソフトバンクAirは、面倒な工事はなく手軽に素早くWi-Fi環境が作れる優れものですが、快適に利用できるかどうかは繋げてみなければわからないといった、一種の“賭け”のような性質もあるのです。

もちろん、主にWEB閲覧・動画視聴のように、速度を重要視しない用途でインターネットを使うのであれば問題はないとも言えます。

ただし、WEB会議などリアルタイムのオンライン通信の用途が増えている昨今、将来を見据えて考えるとより安定している光回線を選んだ方がより長く利用できるのです。

そのため、当サイトとしては、工事のひと手間はかかりますが、Wi-Fiの開通前レンタルもあるのでソフトバンク光の導入がおすすめです。